【スノボ】トリノ五輪代表の成田童夢が「世界初」目指す 世界7大陸最高峰など11の山を滑降
06年トリノオリンピック(五輪)スノーボード男子ハーフパイプ日本代表の成田童夢(39)が「世界初」を目指す。 6日、居住地の青梅市役所で講演会に出席。22年から取り組む「世界7大陸最高峰をスノーボードとパラグライダーで滑降する」プロジェクトの進展を明かした。 「子供たちに雪を残したい」。地球温暖化に警鐘を鳴らし、自らの夢を語った。きっかけはコロナ禍にあった。現役時代は五輪出場やワールドカップ制覇を果たし、11年に引退。20代は声優、俳優、DJなどタレント業に専念し、雪山からは遠ざかった。しかしコロナ禍でイベントの開催が減少した。 キャンピングカーで全国行脚し、日本最北端の北海道・稚内を訪れた。感じたのは「雪ってこんなに少なかったんだっけ?」。かつて現役時代で滑り尽くした雪山とは違う光景にがくぜんとした。地球温暖化に危機感を抱き「雪山に引き戻された」。自らが情報発信をしなければと考えた。 自分にできることは、やはりスノーボード。「世界一はとったことがあるが、世界初はとったことがない」。誰も果たしたことがないエベレスト、キリマンジャロなど7大陸最高峰を含む11の頂から滑り降り、映像などを通して世界の雪山の現状を届けることにした。 22年からトレーニングを開始。富士山登頂やボルダリングに励み、ドローンの操縦も習得。スノーボードで滑走できない一部の山ではパラグライダーで滑空するため、パイロットライセンス取得にも挑んでいる。 今年9月上旬には「第1の山」を制覇。オーストラリア大陸最高峰2228メートルのコジオスコ山頂からスノーボードで滑った。冬にもかかわらず山頂では岩肌が見えていた。時速100キロにおよぶ風が吹き、斜面は氷と化した。ガリガリと音を響かせながら滑走し「楽な道のりではなかった」と振り返った。 次回は12月、南米最高峰6959メートルのアコンカグアに挑む。「世界の雪山の状況を発信して、地球温暖化について認知してもらいたい」と願った。【飯岡大暉】