【ランボルギーニの世界】トラクターメーカーからスポーツカーメーカーへ 不遜なエンツォへのフェルッチオの対抗心から生まれたランボ物語
このデザインは、その2年前にスタジオ ベルトーネが発表したコンセプトカーに遡り、今日に至るまでランボルギーニのデザイン言語を特徴づけている。「カウンタック」は、1990年までランボルギーニブランドのアイコンとして君臨した。70年代と80年代の数え切れないほどの子供たちが、寝室に「カウンタック」のポスターを貼って育った。 「カウンタック」のウェッジシェイプとは何の関係もない、もうひとつのポップアイコンが「LM002」だ。ブランドの歴史の中では完全に異端児であり、その開発はアメリカ陸軍が発行した軍用入札にさかのぼる。しかし、このレースはAMジェネラルの「HMMWV」が勝利し、後に民間の「ハマー」として知られるようになった。そこでランボルギーニと後のオーナーであるクライスラーは考えた。「我々はすでにモンスターを開発したのだから、それを民間市場に持ち込もう」。
そして、軍用バージョンの5.7リッタークライスラーV8の代わりに、「ランボルギーニ カウンタックLP500S」の375馬力を発揮する4.8リッターV12がオフローダーに搭載された。その結果、地球上の他の車にはないドライビングエクスペリエンスと、100km走行ごとに40リッター(リッターあたり2.5km)の燃費となった。それでも301台が販売され、今日の価格は30万から50万ユーロ(約5,160~8,600万円)である。
上階にはランボルギーニの最新モデルが並ぶ
上階には、「ディアブロSV」や「ガヤルド」から、あらゆる特別モデル、モータースポーツのアイコン的モデルまで、より現代的なモデルが展示されている。特に限定モデルの列はファンをメロメロにする。左端は、「ムルシエラゴ」から派生した22台限定の特別モデル、「レヴェントン」。その5年後、2012年に「セスト エレメント」が登場した。こちらも超限定生産(この場合は20台)で、価格は300万ユーロ(約5億1,600万円)弱だった。 「ヴェネーノ(クーペ3台、ロードスター9台、価格: 正味300万ユーロまたは330万ユーロ=約約5億1,600万円~約5億6,760万円)」を経て、創業者フェルッチオ ランボルギーニの生誕100周年を記念して2016年のパリオートサロンで発表された「センテナリオ」に至る。クーペ20台、ロードスター20台の計40台が製造された。 その後、「シアン(クーペ63台、ロードスター19台、ランボルギーニ初のハイブリッドモデル)」を経て、「カウンタックLPI 800-4」が登場する。「カウンタックLPI 800-4」は、2022年と2023年にちょうど112台が製造され、単価は239万ユーロ(約4億1,100万円)だった。