プロが教えてくれた正しいサプリの選び方、買い方(後編)
魚にもお肉にも野菜にも果物にも共通するもの。そこには目利きがいて、いいものとそうでないものを分けている。サプリだってそう。選ぶ基準があるから、その道のプロにいいサプリの選び方を教えてもらおう。[取材協力/田村忠司(ヘルシーパス)]
エナジードリンクの使い方を間違えない
気合を入れたいときにエナジードリンクをぐびぐびっと飲んで、仕事や勉強のノルマに取りかかる。カフェインが交感神経を活性化させ、大量に含まれている糖質で血糖値が急激に上がり、確かに一瞬、気力が漲る感覚に。でも、場合によってはその気力が長続きしない。”日本一サプリメントを真面目に考える男”こと田村忠司さんいわく、 「糖質の代謝を促すビタミンB群が十分に配合されていないと、血糖値の急上昇と急降下が起こり、眠気を催すこともあります。カフェインや糖質がたっぷり配合されているタイプのエナジードリンクは仕事や勉強の前に飲むのではなく、エネルギーを必要とする激しい運動の前に飲んで糖質を有効活用することをおすすめします」
GMP認証を見る
東京都が行った「令和4年健康食品試買調査」によると、健康食品売り場で購入した製品の42品目中24品目、インターネットで購入した製品の83品目中79品目に不適正な表示や広告が見られたという話。 サプリの半数以上が問題ありとは由々しきこと。 そこで、まっとうなサプリを見極める目安となるのが「GMP(Good Manufacturing Practice)規格」。これは原材料、製造、出荷に至るまで製品を安全に作り、一定品質を保つための規格。このマークが表示されている製品は安全かつ品質が保証済み。日本だけでなくアメリカでもGMP規格はあるので、認定マークをサプリ選択の基準にしてみるのも手。
トクホより機能性表示に注目かも!?
特定保健用食品=トクホと機能性表示食品。15ページで述べた通り、前者は保健機能の表示、後者は科学的根拠を基にした機能性が表示された食品のこと。田村さんによれば、近年このふたつの食品のパワーバランスが変わってきているという。 「最近はトクホがどんどん減ってきています。というのもトクホは国の”認可”で機能性表示食品は”届出”。前者の責任は政府に、後者はメーカーにあります。届出の方が手続きが楽なので今はこちらの方が人気なんです。 また、機能性表示食品は消費者庁のサイトでエビデンスがオープンにされているのでいつでもチェックできる。とても画期的なルールだと思います」 消費者にとっては機能性が分かりやすく表示されていれば選択の目安になるし、購入する前に科学的根拠も確認できる。メーカーにとっては届出の手続きが国の厳しい審査を受けるトクホよりはるかに楽。どちらにとっても旨みがあるシステムというわけだ。