再選斎藤氏、辞職促された吉村氏と微妙な距離感にじませ…百条委に協力も「対応問題ない」
兵庫県知事選で再選した斎藤元彦氏(47)の疑惑告発文書問題を巡り、県議会の調査特別委員会(百条委員会)が斎藤氏らの証人尋問日程を決めた。再選から一夜明けた18日、斎藤氏は報道陣の取材に「必要に応じて調査に協力する」と表明する一方、「県庁の対応は適切かつ法的にも問題はない」との認識を改めて示した。疑惑の解明は進むのか。 【写真】「調査、最後まで」百条委員会終了後に記者会見する奥谷謙一委員長ら 18日、神戸市中央区の事務所。集まった支持者らに「おめでとう」「頑張って」と声を掛けられ、拍手の中、姿を見せた斎藤氏はスーツ姿で報道陣に深く一礼すると、「まだ実感がわかない」と言いつつも、110万票以上を獲得しての再選に表情を崩した。 選挙戦で感じた民意について「文書問題も確かに一つの争点だったが、大事なのは政策を進めていくこと。政策や公約の実現への期待が大きい」と述べ、来年度予算案の編成を進める考えを示した。 ■県議会との関係「大丈夫」 再選後の県政運営に際しては、全会一致で不信任を決議した県議会との関係修復が、早期に取り組むべき課題の一つとなる。 19日に初登庁する斎藤氏は、何度かうなずきながら「『いい政策をしていきたい』という共通の思いの中で、コミュニケーションをはかりながらやっていけば、大丈夫だと思う」と、淡々と語った。 その上で百条委や第三者機関の調査には「真摯(しんし)に対応していくことが大事だ」とし、職員との関係構築についても「謙虚さをもう一度、胸に刻んでやっていく」と強調した。 令和3年の知事選直前まで、吉村洋文大阪府知事のもとで府財政課長を務めた斎藤氏。今回の文書問題への対応を巡り、吉村氏からは辞職して出直し知事選に出馬するよう説得の電話があった。斎藤氏は応じず、県議会から不信任決議を受けた後、自動失職を選んだ。 斎藤氏によると、17日に再選確実が報じられた後、吉村氏から「『おめでとう』というメールが来た」。斎藤氏は「兵庫と大阪はこれから連携しないといけないことが、テーマごとにたくさんある」と語り、再び協力する姿勢を示したが、報道陣からメールに返信したか問われると「寝てしまって、していないです」とだけ答えた。 ■「調査、最後まで」