『氷の微笑』監督の最新作『エル ELLE』 米国人女優が主演を拒絶した理由
ヴァーホーヴェン監督は、ハリウッドでのアクション作品を否定するが、9月16日公開予定の14歳のドイツの少年たちのひと夏の冒険映画『50年後のボクたちは』の中に、『スターシップ・トゥルーパーズ』について語るシーンがある。少年らは「あのでかい脳みそが出てくる映画か?」と言って笑うが、野宿して見上げる夜空の向こうに確かに2匹の虫の存在を感じ、遥かな距離を超えて互いに交感しているような気持ちになる。もしヴァーホーヴェン監督があの映画をそれほど気にいってなかったとしても、映画はそうやって誰かの心に留まり、ささやかなミラクルを起こすきっかけになる、こともある。そこにも説明は必要ないのだ。 (取材・文:関口裕子、撮影:伊藤さゆ) 『エル ELLE』8月25日(金)、TOHOシネマズ シャンテ他全国ロードショー