在宅で農業、AIが実を見極めロボットを遠隔操作してピーマン収穫…障害者雇用と農家の人手不足解消に期待
同社で障害者雇用の促進などを担当する尾見喜信さん(43)は「障害のある方も経験を積むことで、生育調査や管理、指導など多様な仕事をしてもらえる可能性がある」と見据える。
障害者の雇用を巡っては、一定規模の企業に義務づけられる法定雇用率は今年度、2・3%から2・5%に引き上げられたが、福岡県内の民間企業は2・43%(昨年6月時点)と水準を下回っている。
事業では今月下旬まで作業を行い、課題を精査する。市障がい企画課の平川浩紀課長(49)は「生きがいをもって働けるよう、ITやロボット技術を活用した取り組みに注目しながら支援していきたい」と話している。
「農福連携」政府も推進…ロボットやITを活用したスマート農業
政府は、障害者に農業分野で活躍してもらう「農福連携」の取り組みを推進している。昨年6月に改定した推進ビジョンでは、農福連携に取り組む農業法人や障害者就労施設などを2030年度までに1万2000件以上に増やす目標を掲げる。23年度は7000件あまりで、5000件ほど増やすことを目指す。
ビジョンでは農業や福祉、行政関係者らでつくる地域協議会に参加する市町村数を200以上とする方針も盛り込んだ。ロボットやITを活用したスマート農業を促進し、障害者らが働きやすい環境を整備する。
昨年6月には改正食料・農業・農村基本法も施行され、障害者らが農業に携われるように、国が環境整備に必要な施策を講じることも盛り込まれた。
農林水産省都市農村交流課は「今年度は法もビジョンも新たになった節目の年。農福連携をいっそう進めていきたい」としている。