「子供たちの未来の扉を拡げたい」障がいに関係なく挑戦できる世界を目指しタイで活動する男性の思い
障がい者の雇用に向け職業体験を
大畑さんが長年活動を続けているのには理由がある。 交流イベントに先立ち、子供たちが訪れていたのは宅配大手・ヤマト運輸のタイ法人だ。 スタッフが手話で「皆さんがお店で買う商品がお店に並ぶ前の作業について説明します」と始めた。 ここで行われたのは職業体験。子供たちにとっては初めての経験だ。 スタッフの指導を受けながらお客さんに配送する商品を段ボールに詰めテープでとめていく。 大畑さんは「障がい者雇用というかたちで子供たちが将来企業に就職していく。その一環として各企業にお願いして職業体験をやらせてもらっている」と狙いを教えてくれた。
タイの企業は健常者100人につき1人、障がい者を雇用しなければならない。 しかし、障がい者基金に寄付をすれば免除されるため雇用は進んでいないのが実態だ。 大畑さん自身はろう学校出身の女性を中心に雇用して日本のお菓子を作るメーカーを立ち上げようとしたが、コロナ禍もあり断念したそうだ。 職業体験の合間に時間ができると子供たちは互いの国の手話を教え合うなど積極的に交流していた。 大畑さんは見守るだけ。子供たちの自立のため手助けはあえてしない。
参加した日本人の中山 翔くん(12)は「段ボールにテープを貼るのがとても大変だった。(でも)楽しかった」と手話した。
子供たちの未来の扉を少しでも大きく
大畑さんはこうした体験を通して仕事への興味、そして将来への希望を持って欲しいと話す。 大畑尚則さん 子供たちの未来の扉を少しでも大きくしてあげる、別の扉を用意してあげる、そういったことをしてあげるのが大人の義務かなと思っていて。 今後もずっと続けていきたいし、いろんな企業が携わってくれればうれしい 障がいに関係なく挑戦できる世の中にしたい。 子供たちの未来に寄り添う大畑さんの活動は続く。
テレビ静岡