「子供たちの未来の扉を拡げたい」障がいに関係なく挑戦できる世界を目指しタイで活動する男性の思い
青年海外協力隊の一員として赴任経験のある東南アジアのタイで、障がいを持つ子供たちの支援に取り組む静岡県焼津市出身の男性がいる。職業体験やスポーツ交流などを通して子供たちの未来に寄り添う活動を続ける男性の思いに迫った。 「障がいに関係なく挑戦できる世の中に!」子供たちの未来の扉を拡げようとタイで奮闘する男性の思いとは
聴覚障がいの子供たちの交流支援
タイ東部・リゾート地パタヤで知られるチョンブリ県。 杉村祐太朗 記者: こちらの会場では日本とタイの子供たちによる交流イベントが開かれています 会場に響く笑い声。 イベントに参加していたのは聴覚に障がいのある子供たちだ。 この日は日本から聴覚障がい者のサッカーチームの子供たちが招待され、タイの子供たちとスポーツを通した交流が行われた。
イベントを企画したひとり静岡県焼津市出身の大畑尚則さん(49)。 タイで企業を経営するかたわら、耳が不自由な子供たちの支援を行っている。 大畑尚則さん: この子たちは特に人の視線と目とか表情と手の動きをしっかり見ているので、手話はタイ語と日本語で全く違うんですけど、自分たちで考えながら頭の中で変換して「こういうこと言っているんだろうな」と会話をしている
日本とタイの懸け橋に
25歳の時、青年海外協力隊としてタイに派遣され、孤児院で2年間働いていた大畑さん。 近くにあったろう学校では子供たちにサッカーを教えていた。 大学時代から起業を志していたという大畑さんは、この赴任をきっかけにその後タイでユニフォーム、ビブスの製造会社を起業。 32人のタイ人従業員の中には協力隊時代に活動していた孤児院出身者もいるそうだ。
そして10年前からは年に1回、サッカーや観光などを通して子供たちが親睦を深める国際交流イベントを開いている。 大畑さんは「日本にも還元したい、タイにも還元したい。自分はタイ語と日本語の両方の文化を知っているのでその架け橋になれれば」と思いを語った。
イベントに参加したタイ人のオート君(12)は「日本とタイの子供たちが一緒にいて一体感があった。サッカーで一緒に遊べてとてもよかった」と手話で感想を教えてくれた。