【学生記者リポート】買い物サービス維持へあの手この手 富山の高齢者生活支える
国の調査では、15年度に買い物サービスを展開する事業者のうち約7割が赤字経営となり、総務省は17年に自治体などに支援強化を要請した。 県は以前、新たにサービスを始める事業者への補助金を設けていたが、3年ほど申請がない年が続いたことを理由に21年度に廃止した。担当者は、運営費用を個別に助成するのは難しいとし「事業者の一覧を県民に公開するなど、PRや周知の面で支援していきたい」と話した。 記者メモ 私の親は福祉関係の仕事をしている。幼い頃からよく話を聞いていたこともあり、高齢者の生活に興味があった。過疎地域に暮らす高齢者の買い物事情を知りたいと考え、移動販売をテーマに選んだ。 山間部を訪れて真っ先に感じたのは「不便さ」だった。周辺にはスーパーはおろか商店も存在しない。気軽に買い物に行ける環境ではなかった。 移動販売を利用したお年寄りに話を聞くと、口をそろえて「便利」「ありがたい」と答えた。事業を継続する上で採算性の確保という課題はあるが、過疎地域の現状を目の当たりにし、こうしたサービスは「買い物弱者」と呼ばれる人々の生活を支えるために必要不可欠だと感じた。実際に現地へ行き、住民から話を聞くことができたからこそ、維持していかなければならないという思いを強くした。
◇ 北日本新聞社は、創刊140周年に合わせて「北日本新聞学生記者クラブ」を発足させました。県内の大学生が地域課題を取材し、執筆する記事を随時掲載します。