「霊能力者の指示」父殺害の罪に問われた次男 義姉を心酔 肉体関係まで…明かされた壮絶な半生【宮城発】
霊能力者が伝えた「呪い」
ジュンと出会った2か月後、敦子被告は脳梗塞になった。さらに2023年1月、直哉被告と敦子被告は新型コロナウイルスに感染する。直哉被告は敦子被告から「呪われているよう」だと、症状の重さを伝えられた。直哉被告はジュンに、敦子被告の言葉は本当かLINEで尋ねた。ジュンは「本当だと思う」と答え、殺害された村上さんと直哉被告の母がかけた呪いと伝えたという。直哉被告は敦子への呪いを信じるようになり、敦子被告の周りに死期が近いことを意味する“黒いオーラ”が見えるようになったと主張する。 11月13日の被告人質問でも、直哉被告は「ジュンは敦子被告ではない」と話した。さらに「ジュンは助言してくれただけ。殺す決断は自分がした」と主張した。弁護側は直哉被告が心神耗弱状態だったとも主張しているが、直哉被告に責任があると認められ、ジュンが敦子被告だと認定されても、敦子被告には責任が及ばないようにする論理構成をとったようにみえる。
誰が死を望んだのか?
敦子被告も被告人質問で「『JUN』というアカウントを使用したことはない」と改めて関与を否定。直哉被告との共謀を否認した。 事件のあった夜、隆一さんは直哉被告、敦子被告らと一緒にマージャンをしていたという。その裏で直哉被告はLINEでしかつながっていないジュンに父・隆一さん殺害の意思を伝え、包丁を用意し、腹部を強い力で突き刺した。不幸な生い立ちがあったとしても、決して許されることではない。 検察側は、敦子被告には隆一さんの口封じや遺産を得ようという動機があり、直哉被告にも敦子との生活を維持するという目的があったと指摘する。実際に隆一さんの死後、長男の口座には退職金など約1750万円が入金され、直哉被告の車のローン返済などに充てられていた。 一体、誰が隆一さんの死を望んだのか。隆一さんが亡くなることで得をしたのは誰なのか。真実が明らかになる日が待たれている。
仙台放送