大分の耶馬渓「青の洞門」で岩盤崩落、通行止め
大分県中津市は、山国川沿いの観光名所「青の洞門」(同市本耶馬渓町)で岩盤が崩落し、現場のトンネル部分を含む市道の約750メートル区間を全面通行止めにした、と発表した。2日には市職員6人が現地を訪れて、状況を調査した。 【写真】崩落現場の状況を調査する市職員=2024年12月2日午前9時13分、大分県中津市本耶馬渓町、貞松慎二郎撮影 現場は樋田側のトンネル出入り口から内側約45メートルの地点。市によると、11月30日午後5時半ごろ、観光客から「崩落している」と、中津署に通報があった。確認したところ、車道と並行する歩道上部の岩盤が高さ2.5メートル、幅2メートルにわたって崩落。防護柵が破損し、砕けた岩が車道まで散乱していた。 青の洞門では市が5年に1度定期検査をしていて、前回2021年の7月から10月にかけての検査時に異常はなかったという。市本耶馬渓支所農林建設課の松尾安洋課長は「風化した岩盤に木の根が入り込み、弱くなって落下したのでは」と報道陣に説明した。 市は専門のコンサルタント会社に詳細な調査を依頼し、対策を検討する。いつまで通行止めが続くかは未定。市街地方面から青の洞門公共駐車場側へ向かう際は迂回(うかい)路を通る必要がある。 禅海和尚の手掘り跡も残り、菊池寛の小説「恩讐の彼方に」で有名になった青の洞門。耶馬渓はちょうど紅葉が見頃を迎えたが、洞内の明かり窓からの眺めなど、ここならではの景観を楽しむのはしばらくおあずけとなる。(貞松慎二郎)
朝日新聞社