「日本との関係を重視する頼清徳総統のメッセージだと思います」台湾重要ポストに“日本人”が異例の就任 頼総統と10年来の友人関係にある野崎孝男さん
日台関係の懸け橋に
――政務顧問としてどのような仕事をしていきたい? 「頼清徳総統と台湾の正しい情報を発信していきたいです。「頼清徳というのはどういう人物なのか?」、「台湾というのは実際にどういう場所なのか?」というのを正しく発信していきたいと思っています。頼総統が今、強調するのは台湾の自由、民主、人権を守り、そして台湾に住む人たちを守るというものです。多元化した自由な社会となっている台湾を今後も守っていきたいというのが頼総統のメッセージです」 ――政務顧問として、中国からの圧力は感じている? 「やはり中国からの圧力というのは非常に大きく感じます。台湾への圧力というのは、アジアの平和への圧力とも言えます。今のアジアの平和を守るために、台湾を守らなければいけない。私は中国の圧力は台湾だけの問題ではないと思っています」
アジアの平和を守るために重要な日台関係
「台湾の現状を守っていくためには日台関係は非常に重要です。中国に暴走させないためには、やはりそれなりの力は必要です。日本と台湾には人権、民主といった共有できる価値観があり、協力してパートナーになることで中国とも会話ができます。こういった日台関係というのはアジアの平和を守るための重要なキーワードだと思っています」 ――政務顧問として、日本人にどのようなメッセージを伝えたい? 「今、日台関係は非常に良い友好関係にあり、日本と台湾のお互いの好感度というのは歴史的に見ても非常に高い位置にあります。しかし、これはお互いの努力によって成り立つもので、実は好感度というのは簡単に下がってしまいます。お互いがこの好感度を下がらないように努力をして、より良い関係を築いていってほしい。私が出来ることは今後も日本と台湾の市民の交流の懸け橋となり、正しい台湾の姿を伝えることで日台関係をさらに発展させていきたいと思っています」 「双十節」の式典で頼総統が行った演説から4日後、中国は台湾を取り囲む形で大規模な軍事演習を行った。そして、同じ日に行われた中国外務省の記者会見で報道官は「台湾独立勢力の挑発は必ず反撃に遭う」と述べ、台湾の頼政権を強くけん制した。 「台湾の主権を守る」と強く宣言した頼総統。政務顧問として支える野崎さんはアジアの平和を構築するため、今日も日本と台湾を奔走している。 【取材・執筆:FNN北京支局 河村忠徳】
河村忠徳