歌舞伎町・トーヨコで蔓延...「お薬もぐもぐ界隈」による「オーバードーズ」経験者が明かす「ヤバすぎる幻覚」《ぬいぐるみが喋り始める》《服が小さなクジラになって泳ぎ出す》
完全に記憶が飛ぶ
「当時よく使っていたのは睡眠導入剤のマイスリーです。30錠ほど一気に飲んで1時間もすれば幻覚が現れる。ある時は部屋に置いてあったぬいぐるみが喋りかけてきて、しばらく話し込んでいたこともあります」 【マンガ】「一緒にお風呂入ろ」母の再婚相手から性的虐待を受けた女性の罪悪感 西本さん(仮名・20代男性)は自身の生々しい体験をそう振り返る。 今、若者を中心に急速な広がりを見せているのが処方薬を使った過剰摂取、通称オーバードーズ(OD)と呼ばれる危険行為だ。 特に歌舞伎町・トーヨコ界隈では睡眠導入剤のサイレースを用いたODが少年少女たちの間で横行。サイレースはかつて欧米でデートドラッグとして多用された過去があり、現在では飲み物に混ぜると青く色付けされるよう対策が施されている。しかし、皮肉にもトーヨコではこの青い着色で舌を染める行為がファッション化し、ODの流行に拍車をかけてしまっているのが実情だ。 西本さんも処方薬のODから抜け出せなくなっていた一人。サイレースの過剰作用についてこう話す。 「サイレースは大量に服用すると完全に記憶が飛ぶ薬です。寝て起きるまで自分が何をしてたのかも分からない。僕の場合は知り合いに電話をかけては意味不明な言葉を喋り続けていたと後で聞きました。とにかくシラフでいたくない人が飲むというイメージです」
「軽い気持ちで服用」
西本さんが処方薬に溺れるきっかけとなったのが知人からのススメだった。 「数年前、友人から『これ、面白いからやってみて』と言われて渡されたのがマイスリーでした。当初は違法薬物だと思って断りましたが『合法の睡眠導入剤だから大丈夫』と説明を受けて『それだったら』と軽い気持ちで服用しました。 最初は10錠ぐらいだったんですが、眠気に襲われてベッドで横になっていると銀色の小人が現れて腕の上に乗っかってくるような錯覚に陥り、言葉を失いました。 その後も壁にかけてあった服が小さなクジラに変形して部屋の中を泳ぎだしたり、3人の英国紳士が目の前に現れる幻が見え始めた。驚いたのは現実世界から完全にトリップするわけではなくて、自分の部屋という背景の中で幻覚が起こっていることでした。まるで夢の国にいるような錯覚でした」 この体験からODの魔力に取りつかれたという西本さん。以降はバイト代のほとんどをつぎ込んでは様々な薬を試す日々が続く。