アビスパ福岡の課題…Jリーグ野々村チェアマンがズバリ答えた! 苦戦する集客の打開は? 新スタジアムは?
Jリーグの野々村芳和チェアマン(51)がJ1アビスパ福岡サポーターの質問に答えた。 ■「肩が壊れてもいいや」城後のロングスロー【写真】 昨季のYBCルヴァン・カップを制し、クラブ初タイトルを手にした福岡は今季の開幕戦の入場者数が1万人を割り、第3節のホーム2戦目も同節J1最少の6596人だった。 元Jリーガーで、札幌の社長からリーグのトップになったチェアマンが、集客についての考えや債務超過、各地で完成されるサッカー専用スタジアムのことなど、熱く語った。
札幌時代にはどのようにして来場者数を伸ばしたのですか?
【IGA☆さんより】 野々村チェマンは2013~21年の約9年間、コンサドーレ札幌さんの社長を務められていますが、どのようにしてホーム来場者数を伸ばしていかれたのでしょうか? 気を付けた点、課題だった点など、お話しできる範囲で教えていただけるとうれしいです。 僕が札幌に行った時は選手で、まだプロ野球(北海道日本ハムファイターズ)がなかったんですよ。で、コンサドーレの露出がすごくたくさんあって、選手として、すごくうれしかったし、充実していました。でも、社長で戻ったら、ほぼ野球の露出になってしまっていて。少しでもサッカーでの露出を増やすために、できることは何でもやりました。 コンサドーレの存在は知っていても、いつ試合があるかということをより多くの人に知らせることが結構大事と思っていて。いろいろなところ、メディアに行って、お願いをして少しでも書いて、出して、と。そういっても限界があるんで、扱ってもらいやすいネタをどれだけ提供できるかっていうことを。もう、くだらないことばっかりやりました。 そういうことから始めて、その後はお金をしっかり使って、投資をして露出を獲得していく。結局、露出がすごく大事でクラブがいい情報、知ってほしい情報を届けられるかということは徹底してやってきました。 クラブが強くなるってことはクラブの売り上げがどれだけ伸ばせるかっていうことと、ほぼ比例する。売り上げを上げるために、マイナスなことはやらないっていうのも、よく分かります。 例えばチケットって、昔は(無料で)配ったら、ただ配っているだけになってしまっていた。そうすると(客)単価が上がらず、売り上げが伸びない。今はしっかりデジタルマーケティングをしながら、初めての人を招待して、その人がクラブのファンになっていくっていうことが実現できる術がある。そんなことをうまくやりながらやらないといけないと思います。 経営面で客単価をどう上げるかということは、どのジャンルでも大事。もちろんやった方がいいんですけど、一方でフットボールの楽しさはピッチ上の勝ち負けではないところが僕はすごく重要だと思っていて。新しく来るファンの人たちの興味は勝ち負けはもちろん、その雰囲気にもあると思う。たくさんの人が一つのボールを見ながら熱量を出しているのがいい雰囲気。サッカーのレベルを上げるという意味でも、熱量のあるスタジアムの方が本当にレベルが上がっていくと思っていたので、熱量のあるスタジアムをどうやってつくるかということを、僕が(札幌で社長を)やっていたころは考えていました。 みんなそう考えていると思います。きっとその方法論や順番はそれぞれ違っていいと思います。