ヤクルト・青木宣親の父・人志さん「大きいとはいえない体でよく戦い抜いた」
球界野手最年長のヤクルト・青木宣親外野手（42）が13日、東京都内の球団事務所で引退会見に臨んだ。 【写真6枚】引退会見で山田哲人から花束を受け取るヤクルト・青木宣親。村上宗隆からもらい泣きも 青木の父、人志さん（78）は数日前に引退の連絡を受けたといい「いつかこういう日がくると思っていたが、いざ聞くと言葉が出なかった。21年間、お疲れさまという言葉しかない。大きいとはいえない体でよく戦い抜いた」と、しみじみ語った。 宮崎・日向市で保険代理店を経営する傍ら、地元を離れた後も東京六大学リーグ、プロ野球、メジャーリーグの全試合をテレビなどで見届けてきた。特に記憶に刻まれているのは、2度目のシーズン200安打を本塁打で飾った2010年9月26日の中日戦（神宮）。「初めて（神宮球場で）観戦した試合で、しかも本塁打で決めてくれた。何かここで決めそうな予感があったんです。目の前で見られたというのは忘れられない」と感慨深げだった。 高いプロ意識をより実感したのは最近のことだった。今年1月。青木は日向市で合同自主トレを主宰したが、同行した選手らを含めインフルエンザや新型コロナウイルスに感染しないよう、実家に一度も帰らなかったという。家族とは日向を発つ日に5分ほど話しただけ。青木は「みんなが健康でキャンプに行ける」と責任を自覚し、胸をなでおろしていたという。 「毎晩、宣親の試合を見ることが日課だったから、引退会見を見てこれから晩は何をしようかと。少し寂しくなりますね」と人志さん。肩の荷が下りたような、柔らかな口調だった。
