親愛の思い、身につけるものからも 秋篠宮ご夫妻トルコ訪問
秋篠宮ご夫妻は3日からトルコを公式訪問し、8日に帰国した。日本との外交関係樹立100周年にあたり、同国から招待があった。滞在中、各地を回って人々と交流したご夫妻。あいさつや声かけだけでなく、装いからも現地への思いを感じる場面が度々みられた。 【写真】スカーフを着用し、アヤソフィアを視察する秋篠宮妃紀子さま=2024年12月5日午後2時33分、トルコ・イスタンブール、上田幸一撮影 3日午後、トルコの首都アンカラのエセンボーア空港で、政府専用機のタラップに姿を見せた紀子さまは深紅の帽子とロングコートを身につけていた。赤はトルコ国旗の基調の色。滞在中、秋篠宮さまも落ち着いた赤地が採り入れられたネクタイを締めていたこともあった。 4日の大統領府と5日の記念式典では、紀子さまは和服姿だった。トルコの人々と面会したり、歴史的建造物を視察した際、胸元には、トルコの花であるチューリップ(トルコ語でラーレ)をかたどったブローチを着けていたりした。 訪問前の記者会見で、紀子さまが関心を寄せていると明かしたのがトルコの手工芸で、ストールやクロスの縁飾りとして用いられることが多い「オヤ」だ。紀子さまは「何世紀にもわたってトルコの女性の方々が思いを託して作ってきた素晴らしい緻密(ちみつ)な手工芸」と話し、自らも実際にオヤの手法を学ぶ機会があったことを明かした。 紀子さまは会見でもオヤの技を採り入れた花のブローチを着用。トルコでは4日朝、建国の父・アタテュルクの霊廟(れいびょう)に足を運んだ際、帽子に花があしらわれていた。側近によると、これはオヤの技術を使った縁飾りのある花で、紀子さまが自ら編んだものだったという。(中田絢子)
朝日新聞社