「食品業」倒産 2年連続増加の653件 原材料やエネルギー価格、人件費上昇が負担
【業種別】最多が農畜産物・水産物卸売業の142件
業種別(小分類)では、最多が「農畜産物・水産物卸売業」の142件(前年度比14.5%増、構成比21.7%)で、2年連続で前年度を上回った。 このほか、「鮮魚小売業」が20件(前年度比25.0%増)で3年連続、「野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食料品製造業」17件(同13.3%増)と「食料・飲料卸売業」99件(同5.3%増)、「野菜・果実小売業」21件(同50.0%増)、「食肉小売業」12件(同20.0%増)、「菓子・パン小売業」71件(同44.8%増)が2年連続、「パン・菓子製造業」32件(同68.4%増)と「酒類製造業」10件(同400.0%増)が2年ぶりに、それぞれ前年度を上回った。 また、前年度発生がなかった「茶・コーヒー製造業」が5件、「糖類製造業」と「清涼飲料製造業」「製氷業」が各1件だった。 コロナ禍からの業績回復の遅れだけでなく、物価高が各業種に影響を及ぼし始めている。
【原因別】販売不振の構成比が7割
原因別は、最多が「販売不振」の480件(前年度比14.8%増、構成比73.5%)で、2年連続で前年度を上回った。一方、「既往のシワ寄せ」は62件(同4.6%減、同9.4%)で、2年ぶりに前年度を下回った。『不況型』倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)は、544件(前年度比12.6%増)で、8割(構成比83.3%)を占めた。 コロナ禍から業績回復が遅れ、円安やウクライナ情勢による原材料・食材の値上げなどが資金繰りに重く圧し掛かっている。
【形態別】法的倒産の構成比が95.4%
形態別は、法的倒産が623件(前年度比15.5%増)で、2年連続で前年度を上回った。構成比は95.4%(前年度96.0%)だった。 破産が569件(前年度比14.2%増)で2年連続、特別清算が42件(同50.0%増)で3年ぶりに、それぞれ前年度を上回った。消滅型が611件(同16.1%増)で、9割(構成比93.5%)を占めた。 一方、再建型の民事再生法は12件(前年度比7.6%減)で、2年ぶりに前年度を下回った。会社更生法は2年連続で発生がなかった。 このほか、取引停止処分は29件(同45.0%増)で、2年連続で前年度を上回った。