<新風・’21センバツ上田西>支える人々/3 新聞委員会の高校生記者たち 活躍、校内外に発信 /長野
◇学業と両立し、精力的に発行 上田西高の生徒たちの活躍を校内外に発信すべく、高校生記者たちが奮闘している。学校新聞「千西一遇」を発行する同校新聞委員会。若き記者たちの活動に迫った。【皆川真仁】 新聞製作に携わる「編集局」に所属するのは約10人。同委員会顧問の山浦天教諭(29)が「一緒にちゃんとやってくれそうな人を」と勧誘した精鋭たちが集い、運動部や学校行事などを取材する。 2020年度は新型コロナウイルスで取材活動が制限されているが、山浦教諭は「こんなに(新聞を)出した年はない。コロナ禍で全国の新聞部が取材できていないからこそ存在感を出そうと思った」と逆境を前向きに捉え、感染対策を講じながら精力的に活動している。昨夏は合宿の聖地として知られる菅平高原を訪れ、新型コロナによる観光業への打撃などを取材、発信した。 野球部関連では、20年10月の北信越大会準決勝の星稜(石川)戦勝利時や、同11月の高寺望夢(3年)のドラフト指名時、今年1月のセンバツ出場決定時の計3回、号外を発行した。コロナ禍で球場での取材ができない苦境は、野球部マネジャーで同委員会にも所属する桜林生成(きなり)さん(2年)の協力で乗り切った。 1月に地元紙と合同で発行したセンバツ出場決定号外の作成は特にスケジュールがタイトで、学業との両立に苦慮したといい、編集局長の堀内日菜子さん(2年)は「模試の勉強もしないといけないし、記事も書かないといけなくて忙しかった」と振り返る。繁忙期には学校に向かう車中で記事を書くこともあった。苦労も伴う活動だが、その分、達成感はひとしおだ。新聞委員長の橋爪ここ菜さん(2年)は「自分たちが作った新聞が配られて、みんなが読んでくれている時」にやりがいを感じるという。 高校生記者として活動する中で、新聞記事の読み方も変わってきたという。入会前からインターネットで新聞記事を読んでいたという堀内さんは「『繰り返し同じ言葉を使う』とか、『1文が長くなりがち』とか、自分がやりがちなミスをどう回避しているんだろう……と考えて読むようになった」と視点の変化を実感する。 同校が初めて立つセンバツの舞台。甲子園で取材ができるかは不透明だが、堀内さんは「コロナ禍で満足に練習ができず大変な一年だったと思うけど、いいニュースができて良かった。地域を盛り上げてほしい」。橋爪さんも「後悔しないように頑張ってほしい」と選手に声援を送る。=つづく