『本場の味』シェフはタイ・台湾・インドネシア出身の女性ら 日本での生きづらさ...母国料理で自信を持てるように 「今は毎日が楽しい。みんな支えてくれるから」
■「働きたい」外国人が増加…雇用の拡大が課題に
SALAの評判が外国出身の女性たちの間に広がる一方、奥さんは課題も感じていました。 【奥 尚子さん】「最近、めっちゃ来るんです、留学生とか。仕事に困っている人が多くなっていて。1人暮らしの一部屋に6人くらいで住んでいる人たちが『働けない』って、しょっちゅう来ます。ごめん、ごめんって、雇えないので断っていて、そこが歯がゆいところではあります」 25席のSALA、1店舗だけでは雇用を拡大できず、外国出身の人たちの「働きたい」という声に応えきれないのです。 実際に、日本に住む外国人は全国的に増えていて、神戸市でも、人口は減少していますが、外国人の数は急増しています。
そこで奥さんは4月、新たに宅配弁当専門のキッチンを作りました。コストを最小限に抑えながら、無理せず雇用を増やすことにしたのです。 働く場所が増えたことで新たに仲間入りしたのは、インドネシア出身のアユさん(34歳)。 イスラム教徒のアユさんも、日本で生きづらさを抱えていた一人ですが、SALAでは壁を感じることもありません。
【インドネシア出身 アユさん】「イスラム教だから頭(にヒジャブを)かぶるんですけど、ヒジャブをかぶると、仕事がなかなか難しいんですよ。『取ってくれる?』とかいろいろ聞かれるので。SALAは『全然問題ない』って言ってくれたから、本当にありがたいです」
この日、アユさんが作った弁当は、市内の企業に届けられました。 【インドネシア出身 アユさん】「働いて本当に良かった。本当に毎日が楽しい。お客さんも日本人もいて、外国人もいて。みんな優しくて、いろいろ支えてくれるから」 【奥 尚子さん】「本当はSALAがもう1店舗あれば働く人も増えて、交流できる場所もあるんですけど、ビジネスっていう面がまだ弱くて。ここが軌道に乗って成り立てば、今度はSALA2号店みたいなところを作りたいな。(女性たちが)活躍できる場所がもっと増えたらいいなっていう気持ちです」 外国出身の女性たちが笑顔を取り戻せる場所は、これからも続いていきます。 (関西テレビ「newsランナー」 2024年5月8日放送)