リンゴ400キロ、ドローンで出荷 豪雨で道路寸断の石川・珠洲、KDDIが果樹園支援
KDDIは、9月の能登豪雨で道路が寸断された石川県珠洲市のリンゴ農園で、収穫したリンゴの出荷をドローン輸送で支援した。ウインチシステムを搭載したドローンで約400キログラムを約1.2キロメートル離れた荷下ろし場まで輸送した。 【関連写真】収穫された石川県オリジナル品種のリンゴ「秋星」 9月に発生した能登豪雨により、珠洲市などでは土砂崩れや倒木などで道路寸断の被害が発生。収穫シーズンを迎えたリンゴ果樹園などでは車両による出荷作業ができない状況となっていた。 今回の取り組みは、KDDIと石川県が締結する「創造的復興の実現に向けた包括連携協定」に基づく取り組みの一環。石川県からの要請を受け、KDDIとKDDIスマートドローンが、珠洲市高屋町の丹保果樹園で輸送支援を行った。 同園では、栽培する県オリジナル品種のリンゴ「秋星(しゅうせい)」が大きく成長し、10月中に約400キログラムを収穫。ただ、道路の寸断により車での出荷ができず、ドローンを活用することになった。 荷下ろし場所の漁港まで徒歩約40分かかる距離をドローンは約2分で到達。10月29、30日の2日間をかけ、1回あたり約20キログラムのリンゴを計20回輸送した。 輸送には、中国の大手ドローンメーカーDJI社の「FlyCart30」を使用。最大30キログラムを積載できる長さ約2.8メートル、幅3メートルの機体にウインチシステムを搭載して実施した。 丹保果樹園の丹保正広さんは「石川県に相談し、ドローンによる輸送という新しい方法を知りチャレンジした。ドローンに積み込む作業は車と比較して時間はかかるが、コツをつかめば順調にできた」と振り返る。「収穫したリンゴが無駄にならず、災害時には非常に役立つ。道路の復旧次第では、これから出荷する分もドローンを活用してみたい」と話した。
電波新聞社 報道本部