父の相続手続きが大変だったので、母は生前から家の中や金融機関の整理をしていますがうまくいきません。手続きを楽にするためになにかやっておくことはありますか?
親が生きているうちから、相続について気になっている人は多くいるでしょう。また、「父の相続手続きが大変だったので、母のときは事前準備をしようと、母に何度となく家の中の整理や金融機関の口座の整理するように言ったけどうまくいきません」というような話もよく耳にします。 相続手続きは、ちょっとした工夫で簡単になります。今回は、相続について、親が生きている間にできることをお話します。 ▼亡くなった母が私名義で「500万円」を遺してくれていた! 名義は自分でも「相続税」はかかる?
家の中のさまざまな整理
親の相続対策をしようと思ったとき、まずは、いわゆる「断捨離」を行いましょう。 相続手続きというと、不動産や金融機関の口座等の名義変更や水道光熱費の引き落とし口座の変更、役所に行って年金の手続き等を想像するかもしれません。それも物理的・体力的に大変な作業ですが、家の中の整理というのも実は大変な作業です。 長い年月を過ごした家には、多くのものがあります。実際に使っていたものはもちろん、ほとんど使っていないものもクローゼットや押し入れに入っていることでしょう。 親が住んでいた家は相続後どうなるかというと、「住む」「貸す」「売る」の三択です。どれを選ぶにしても、家の中のものを整理する必要があります。つまり、要らないものの処分が必要となり、処分費がかかります。 この「要らないもの」の選別が大変です。「全部を処分する」と割り切れれば簡単ですが、自分の実家となると思い出もあり、難しいのが正直なところです。ましてや親が大切にしていたものとなると、「捨てる」という決断がしづらいでしょう。 そこで、親が元気なうちに、親といっしょに家にあるものを整理することが大切です。親から直接個々のものに対する思いを確認し、「親が生きている間は置いておき、死後は処分するもの」「親の死後引き継ぐもの」「今すぐ捨てるもの」に分類しておきましょう。 このとき、この3つの区分を親に伝える必要はありません。「死後捨てるよ」と伝えると、親は悲しむと思われるので、自分の心にとどめておき、リストだけ作っておくのがよいでしょう。