「顔が蕁麻疹だらけの受験生も…」32歳女教師が絶句。2月の教室を凍らせる「私大受験生と国公立大組のヤバすぎる諍い」
例年、国公立大学の前期日程二次試験は2月25日あたりからはじまる。国公立大学を受験する高校生たちは、今が正念場だ。過去問を解き、予想問題を探しては解き、入試当日までにどれだけの力をつけることができるか不安に思いながらも必死で突っ走っている。 出願はたいてい2月の頭までなので、どの大学を受験するかという悩みはもうない。でもだからといって、悩んでいないわけではないのだ。 「受かるかどうなのかという不安もありますし、私立大学への合格を決めた友人たちとの人間関係でも悩んでいます。この時期の高3生たちはとても繊細で、ストレスから身体中に蕁麻疹が出てしまう子や、咳が止まらなくなる生徒もいて、対応には本当に神経を使います」 そう言ってため息をつくのは首都圏の高校で教員をする萌子さん(32)だ。彼女は受験生の担任をすることが初めてで、生徒たちがあまりにも神経過敏であることや生徒同士のもめごとが大きな問題につながることに驚いている。 「私立大学に合格してもう進学先が決まってしまった生徒と、これから入試に挑む国公立大学志望の生徒の間で、こんなにも問題が起きるとは思っていませんでした。 私立大学への進学が決まっている生徒たちは、国公立大学を受験する生徒たちにもっと配慮をするだろうと思っていたし、国公立大学を受験する生徒は私立への進学を決めた生徒たちのことをそんなに気にしないものだと思っていたのですけど……」 彼女のクラスでまず起きたのは、「私立への進学を決めたクラスメイトたちがうるさくて勉強に身が入らないと言って、国公立大学を受験する生徒が、いくつかの授業をボイコットする」という事態だ。 「大声で騒いだりはしないようなのですが、私立大学への進学を決めた生徒は、当然のことながら勉学に身が入りません。 例年そういった生徒たちは授業を聞く気がなく、休んだり眠ったりするものらしいんですが、今年の生徒たちは、つるんで授業中にはしゃいでしまって……」 萌子さんも授業を担当する先生たちも注意はしたようだが、彼らの浮かれた気持ちからは他者への配慮というものが抜け落ち、「今が楽しい」「最後の思い出作り」といった気分でいるようなのだ。 「原因としては、私立への進学を決める生徒が増えたことにあるかもしれません。何が何でも国公立大学へと必死で頑張る生徒は減り、私立や専門学校への進学を早く決めてしまう方がいいという生徒が増えました。 ですから、2月の時点で進学先が決まっている生徒の方が、まだ決まっていない国公立受験生よりも多いのです。『ここから楽しく思い出作りしようぜ』という子どもたちの方が多いので、余計に、まだ進学先が決まっていない生徒に対して配慮しないのかもしれないですね。他の学校の先生にお話を聞いても、同じような状況だと仰ってました」 そう言ってため息をつく萌子さんには担任している高3生の問題がまだまだ降りかかってくる。 先に私立大学への進学を決めた生徒たちがうるさくするせいで、これから本命の国公立大学を受ける生徒たちが授業をボイコットするという事態に悩む萌子さん(32)。 「ボイコットした生徒たちに対しては、『みんなが静かに勉強できる環境はちゃんと守るから』と話して、図書室に避難させました。それは良かったんですが……私のクラスの生徒で、東大を受験する予定のAくんが『受験をやめたい』と相談に来たのです」 東大に合格するだろうと言われていたAくんからの衝撃的な発言。驚いた萌子さんが、Aくんの話をじっくり聞くと彼は、小さな声で涙ながらにその理由を語りはじめた。 「簡単に言えば、一緒に勉強をしていた彼女が私立進学を決めてしまった上に、その進学先の男の子と付き合い始めたというのが理由です。いわば”乗り換え”ですね」 受験生を巡る人生ドラマは、次回でさらに詳細にレポートする。