【菊花賞・生情報】〝ヒットマン〟再来へ 無駄肉をそぎ落とした究極仕上げで挑むピースワンデュック
[GⅠ菊花賞=2024年10月20日(日曜)京都競馬場、芝外3000メートル] 2002年ヒシミラクル、08年オウケンブルースリ、09年スリーロールス、17年キセキ。これらの菊花賞馬に共通するキャリアが、夏の新潟で2勝クラスの芝レースに出走していたことだ。越後路遠征で古馬にもまれた経験が糧となり、菊の大輪を咲かせた形となる。 特に、阿賀野川特別(芝内2200メートル)を経由した馬はオウケンブルースリ以外にも09年2着フォゲッタブル、12年2着スカイディグニティ、17年3着ポポカテペトル、18年3着ユーキャンスマイルが3冠最終戦で馬券対象となった。ならば注意すべき上がり馬は、3連勝で阿賀野川特別を制したピースワンデュック(牡・大竹)となる。 決戦2日前となる18日は、午前8時過ぎに美浦の坂路コースで4ハロン64・8―14・9秒と大きめのキャンターを消化。その後、ゲートを確認し、19日午前4時の出発へ備えた。「いつものパターンの調整で順調にきています。そぎ落すべきところをそぎ落せたことで馬体をスッキリと見せています。この長丁場の乗り切りには、いい体つきだと思います」と愛馬を確認した大竹調教師は納得の表情を浮かべる。 振り返れば、人気馬を次々と倒して〝ヒットマン〟と評されたライスシャワーも、極限まで絞り込んだ究極仕上げで淀の長距離GⅠで3度の先頭ゴールイン(1992年菊花賞、93&95年天皇賞・春)を決めた。 木曜午後2時に決定した枠順は最内の1枠1番。「いいと思いますね。この馬に対してあまりジョッキーにオーダーを出したことはないですが、作戦は立てやすい枠でしょう」と主戦を務める大ベテラン・柴田善に全権委任の構えを見せる。 昨年の菊花賞はナイトインロンドンを送り出して8着に善戦。今年も同じく自身が管理したグレーターロンドン産駒のピースワンデュックで挑む。「去年は出遅れて後ろからの競馬。それでも最後は伸びていたし、スムーズならもっとやれたな、という感じでした。ピースワンデュックも血統的に距離は対応できると思いますし、スタミナに不安はありません。やれることはやってきたので、あとは馬場があまり悪くならなければ」と春の実績馬撃破に期待を寄せていた。
東スポ競馬編集部