肥薩おれんじ鉄道 26日始発から出水-川内間の運行再開へ 野田駅構内で脱線、運輸安全委が現場を調査 年内に原因報告
鹿児島県出水市野田町下名の肥薩おれんじ鉄道・野田郷駅構内で起きた脱線事故を受けて、運輸安全委員会の鉄道事故調査官ら4人は25日、前日に続き現場状況を調査した。事故原因を分析し、1年をめどに国土交通大臣に報告する。24日の事故後見合わせていた出水(出水市)-川内(薩摩川内市)の運行は26日に始発から再開する見込み。 【写真】〈関連〉脱線列車の移動後、現場付近を調べる鉄道事故調査官ら=25日午後1時15分ごろ、出水市野田町下名
調査官2人と九州運輸局の担当者2人は24日夜現地入り。25日は午前8時半過ぎから、傷が付いたレールや枕木、列車を調べた。長谷川淳調査官は取材に「どこにどのような傷があったのか丹念に調べた。何が直接の原因かは現在分かっていない」と答えた。当時の運転士らからも状況をヒアリングした。 25日は約70人が調査と復旧に当たった。機材で持ち上げてレールに戻した列車は、出水駅構内の出水車両基地まで自走した。脱線で損傷した枕木は、26日の始発までに取り換える。 同鉄道の古森美津代社長は「多くのお客さま、関係者の皆さまに多大なご迷惑をおかけしました。心からおわび申し上げます。調査を踏まえて、原因究明と再発防止に努めます」と述べた。 事故は24日午前11時35分ごろ発生。前方の車輪が進行方向左側に脱線した。2004年3月の開業後、脱線事故は初めて。JR貨物は25日までに鹿児島貨物ターミナル駅(鹿児島市)発着の列車計6本を運休した。
南日本新聞 | 鹿児島