「今さら聞けない時計の基礎知識」クロノグラフ、3針モデル……機械式腕時計の“パーツの呼び名”を知る
「スタンダードにして究極の人気モデル」3針モデルの名称を知る
次はビジネスからカジュアルまでシーンを選ばずに使えるスタンダードな3針モデル。こちらで専門用語を学んでいこう。まず冒頭に出てきた「3針モデル」とは短針(時針)、長針(分針)、秒針の3つが文字盤中央部分に備わっているタイプのこと。秒針がないものは2針モデルと呼ぶが、GMT針などが加わって針が4つになっても4針モデルとはあまり言わない。 基本はブレスレット(またはストラップ、バンド)とケースがあり、文字盤に3つの針とインデックス。3時の位置には日付表示もある。この機能や飾りがある場所を「日付表示が3時、曜日表示が12時」など、〇時の位置と呼ぶので覚えておくと便利。 珍しいところではブレスをはめるケースの出っ張り部分をラグと呼ぶので、これも覚えておこう。 ■ベゼル 風防をケースに固定するためのパーツで、接着式やねじ込み式などがある。ケース一体型や回転式、計測用などさまざまなベゼルがある。 ■長針 1時間で1周する分を示す長い方の針で、分針、長剣とも呼ばれる。 ■短針 12時間で1周する短い方の針。時針、短剣とも呼ばれる。ベンツ針、イカ針、アロー針など遊び心のあるデザイン針も人気。 ■秒針 1分で1周する針で秒を示す。文字盤の中心に装備されたものをセンターセコンド、インダイヤルにあるものをスモールセコンドと呼ぶ。 ■インデックス 文字盤上で時刻を表示する数字やマーク。インデックスを針が指すことで時間がわかる。ローマ数字、アラビア数字、バーやドットなどさまざまな種類がある。マーカーとも呼ばれる。 ■文字盤/ダイヤル 時間を表示する板のことで、インデックスを備えているのが一般的。真鍮が使われることが多いが、金、銀、マザーオブパールなど高級素材が用いられることもある。 ■日付表示 時計のカレンダー機能の1つで、日付を表示する。カレンダー機能には日付、曜日に加え、月を表示するものもある。うるう年を自動調節する永久カレンダーも人気。 ■リューズ 機械式時計のゼンマイの巻き上げや、時刻、日付などを調節するためのボタン状の装置。海外ではクラウン呼びが一般的で、日本では竜頭とも書かれる。 ■ガラス/風防 文字盤の上にかぶせてほこりや衝撃から守る透明のパーツ。加工技術の上がった近年は薄くて強度の高いサファイヤクリスタルが多く用いられる。 ■ケース 精密なムーブメントを格納、保護する外装パーツ。ラウンド、スクエア、レクタンギュラー、トノーなど多様な形がある。素材はステンレススチールが一般的。 ■ラグ ケースとブレスレットやベルト(ストラップ)を留めるためのバネ棒を固定するパーツのこと。現在はケースと一体成型されたものが主流。ホーンとも呼ぶ。 ■ブレスレット 一般的には時計を手首に固定する金属素材のベルトのこと。革製の場合はバンド、ストラップなどと分けて用いられることが多い。
※本記事は『MonoMaster特別編集 腕時計を見極める』から一部抜粋し、構成したものです
MonoMaxWeb編集部