親父、もう辞めれば?…年収380万円の64歳“窓際サラリーマン”、33歳長男のひと言に激怒→感謝して「定年直前」に退職した理由【CFPの助言】
バカなことを言うな!…Aさんが思わず激怒した長男のひと言
そんなある日のことです。Aさんが帰宅すると、長男(33歳)が帰ってきていました。Aさんが「急にどうした」と尋ねると、長男は「いやあ、たまたま近くに来たから」とごまかします。 実は、近頃すっかり元気のなくなったAさんを心配して、妻が長男を呼んだのでした。 久しぶりに3人で食卓を囲むなか、長男はなにげなく「父さん、ちょっと元気がないように見えるんだけど。なんかあったの?」と聞いてみました。 すると、Aさんは「まぁ……なんだ、仕事が立て込んでいてな」とお茶を濁します。長男が思い切って「もう辞めてもいいんじゃない?」と言うと、Aさんは「バカなことを言うな!」と声を張り上げ、黙りこくってしまいました。 長男は、「まあそう怒んなくても。だってさ、64歳11ヵ月までに退職するのと65歳以降で退職するのでは、『失業給付』の金額が違ってくるんだよ。だから、お金のためにもいまのうちに退職したほうがいいと思うんだ」と、退職を勧める理由を冷静に話しました。しかし、Aさんはうつむいたまま食事を続けています。 Aさんは心の中で「そんな制度があるのか……?」と驚きましたが、いましがた怒鳴った手前、長男に詳しく聞くことができませんでした。 長男の話が気になったAさんは、知り合いのファイナンシャルプランナーである筆者の事務所を訪ねることにしました。
「64歳11ヵ月まで」と「65歳」、退職のベストタイミングはどっち?
Aさんから話を聞いた筆者は、失業給付のしくみについて説明したあと、「65歳未満で退職する場合」「65歳以降で退職する場合」に受け取れるお金の種類とおおよその給付額について試算を行うことにしました。 64歳11ヵ月までに退職すると、「失業保険(基本手当)」がもらえる まず、Aさんの長男がいうとおり64歳11ヵ月までに退職する場合には、失業保険(基本手当)が支給されます。 なお、支給される条件は次の3つです。 ・65歳未満である(雇用保険制度では、65歳の誕生日の前々日まで) ・失業している ・仕事を辞めた日以前2年間の雇用保険の被保険者期間が合計で12ヵ月以上
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