尹大統領弾劾案否決…与党のボイコットで投票不成立
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対する弾劾訴追案が7日、議決定足数不足により「投票不成立」処理された。 韓国国会はこの日、本会議を開いて尹大統領に対する弾劾訴追案の採決に入ったが与党「国民の力」の議員らが退場し、投票成立に必要な定足数200人を満たすことができなかった。議決定足数不足で投票が成立せず開票はなされなかった。これに伴い弾劾案は自動で廃棄された。 禹元植(ウ・ウォンシク)国会議長は、「名札の数を確認したところ合計195枚が投票され議員数が定足数での在籍議員3分の2である200人に満たなかった。したがってこの案件は成立していないことを宣言する」と明らかにした。 与党からは安哲秀(アン・チョルス)、金睿智(キム・イェジ)、金相旭(キム・サンウク)議員の3人が参加した。「国民の力」の議員8人が参加すれば投票不成立が防げた。午後7時ごろまでに195人が尹大統領弾劾案に対する投票を終えた。 禹議長は与党議員が本会議場に戻って投票するのを待つとして投票終了宣言を先送りしたが、弾劾案処理は失敗に終わった。 現行法上、大統領に対する弾劾案は在籍議員300人のうち3分の2以上の賛成があれば通過する。出席議員の数が200人に満たなければ定足数未達で投票は成立せず弾劾案はそのまま廃棄される。民主党など野党議員は合計192人で、「国民の力」の議員は108人だ。 「国民の力」は尹大統領弾劾訴追案を否決させることに党論を確定した。「国民の力」議員は本会議で「無記名投票」という変数をなくすため先に採決にかけれる金建希(キム・ゴンヒ)特検法採決に参加して順に退場した。 ◇現職大統領に対する3回目の弾劾訴追案 現職大統領に対する弾劾案が国会で採決にかけられたのは今回が3回目だ。 2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領、2016年の朴槿恵(パク・クネ)大統領弾劾案の場合、いずれも国会本会議で可決された。 盧大統領の場合、憲法裁判所の弾劾請求棄却で業務に復帰し、朴大統領は憲法裁判所の罷免決定により任期を満たすことができなかった。 「共に民主党」など野党6党が共同発議した今回の弾劾案は、3日に尹大統領が非常戒厳を宣布したことが触媒になった。彼らは弾劾案で「戒厳に必要ないかなる要件も満たしていなかったのに憲法と法律に違反したまま非常戒厳を発令」と「国民主権主義と権力分立の原則、政党活動の自由、表現の自由侵害」などを弾劾訴追理由に挙げた。 「国民の力」は本会議直後に立場文を出し、「国政まひと憲政中断の悲劇を繰り返さなかった。国民が納得する政局収拾策をまとめ国政混乱を最小化する」と明らかにした。また、非常戒厳事態に対し「国民のみなさまに心から謝罪の言葉を申し上げる」として徹底した真相究明と法的措置を約束した。 野党は投票に参加しない「国民の力」を強く批判した。民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表は「『国民の力』は主権者を裏切った犯罪政党。憲政秩序を破壊し、軍事反乱、内乱行為に積極的に加担しただけでなく、彼らの責任を問うことに対しても反対した」と批判した。続けて「大韓民国の最悪のリスクになった尹錫悦氏を必ず弾劾する。クリスマス、年末年始にはこの国を必ず正常に戻しみなさんにプレゼントとしてお返しするだろう」とした。 民主党は10日に通常国会が終了すればすぐに臨時国会を開いて弾劾を再推進する方針だ。