パッキャオ標的はスペンスでなくメイウェザー?!
ボクシングのIBF世界ウエルター級タイトルマッチが16日(日本時間17日)、米テキサス州アーリントンのAT&Tスタジアムで行われ、王者のエロール・スペンス(29、米国)が、挑戦者で5階級制覇を狙っていたWBC世界ライト級王者のマイキー・ガルシア(31、米国)を3―0の大差判定で下して3度目の防衛に成功した。無敗のスペンスは戦績を25勝21KOと伸ばしたが、ファンが興味あるのはトップボクサーが集結している同クラスの今後の動向だ。 スペンスは、試合後に、観戦に来ていた6階級制覇王者で現WBA同級王者のマニー・パッキャオ(40、フィリピン)をリングに上げて統一戦をアピール。パッキャオも「望むのならやってもいい」と受ける考えを口にした。 だが、海外メディアは、パッキャオvsスペンスの実現をそのまま報じるものと、別の対戦計画を報じるものと様々。ずっと話題になっていた元5階級王者で大晦日に「RIZIN.14」でキックのRISE世界王者である那須川天心(20、TARGET)とエキシビションマッチを行ったフロイド・メイウェザー・ジュニア(42、米国)との4年ぶりの再戦を報じるメディアもあった。果たしてパッキャオの次戦は誰になるのだろうか? 英国のサン紙は、スペンスの「彼(パッキャオ)はレジェンド。彼と次に戦うのは光栄だ」というコメントと、それを受けた「いいだろう。ファンに良い戦いを提供するよ」と応えたパッキャオのコメントを引用して、この両者の対戦をクローズアップした。ただ同記事でも「フィリピン選手(のパッキャオ)にとってのベストな選択はWBA同級スーパー王者のキース・サーマン、WBC同級王者のショーン・ポーター、WB0同級王者のテレンス・クロフォードかもしれない」と、他団体の王者の名前も上げている。 またボクシングサイトの「ボクシングシーン」も「俺がパッキャオに必要な引退査定をしてやる!」との見出しを取り、「フィリピンの上院議員として日程の限られているパッキャオが7月にしか試合ができないのであればスペンスは喜んで合わせるだろう」という見立てを報じた。だが、同サイトもWBA世界同級スーパー王者のキース・サーマンの可能性があることも付け加えている。 一方、メイウェザーとの再戦説を報じたのがフィリピンのマニラ・タイムズ紙だ。 「パッキャオの究極のゴールは、無敗で引退したメイウェザーとの再戦をこの1年以内に行うことだ」と伝えた。同紙は、その情報を「MPプロモーション」のマッチメーカーのショーン・ギボンズ氏に「確認した」とも明かし「正式な話し合いは行われなかったが、パッキャオとメイウェザーは(スペンス対ガルシアの)試合会場で顔を合わせた」とも続けた。 同紙は、ギボンズ氏の「これは、まだ目標だが、大きな目標だ。今現在、メイウェザーは引退している。だからメイウェザーがワクワクして引退を撤回するかどうかを見てみよう」というコメントを紹介している。同紙は、「ギボンズ氏は、40歳のフィリピンの英雄(パッキャオ)がスペンスから挑戦を受けたとしても、その対戦は今年中に、まとまらないだろうと考えている」とし「パッキャオはスペンスを素晴らしいファイターだと思っている。だが、この時点では、スペンサー戦は起こらない」とのギボンズ氏の声を伝えた。 またギボンズ氏は、怪我から再起したWBA同級スーパー王者であるキース・サーマン、WBC同級王者のショーン・ポーター、前WBC同級王者のダニー・ガルシアもパッキャオの対戦相手候補であることを認めたという。 パッキャオとメイウェザーが世紀の一戦として拳を交えたのが4年前の5月。試合は、3-0の判定でメイウェザーが勝ったが、試合後、パッキャオが肩を痛めていたことを告白するなど、遺恨を残した。この試合のPPVは過去最高となる460万件もの視聴があり、1000億円以上のビッグマネーが動いた。40歳と42歳のボクサーの対決に、4年前ほどの価値はないだろうが、それでも、その試合に迫るビッグファイトになることは間違いない。もうボクサーとして時間のない2人の大物は再び拳を交えるのだろうか。