塩田氏が再選 鹿児島県知事選 新人2人に圧勝 投票率、前回下回る44・76%
任期満了に伴う鹿児島県知事選は7日投票があり、即日開票の結果、無所属現職の塩田康一氏(58)が33万7357票を獲得して2度目の当選を果たした。いずれも無所属で新人の米丸麻希子氏(49)、樋之口里花氏(52)との三つどもえとなったが、塩田氏が前回選(2020年)で初当選につなげた草の根活動に加え、政党などの支援を得た組織戦も展開し、米丸氏に約15万票差をつけて圧勝した。投票率は44・76%で、前回を5・08ポイント下回った。 現県政への評価をはじめ、少子高齢化社会への対応やコロナ禍、円安などで影響を受けた地域経済の活性化策、新たな県体育館の整備計画、原発政策などが争点となり、塩田氏に対し米丸、樋之口の女性2氏が挑む構図となった。 塩田氏は昨年12月の定例県議会で再選に向け立候補を表明。新型コロナウイルス対応など1期4年間の県政運営を評価する自民、公明、国民民主の各政党や、野党最大の支持組織・連合鹿児島が推薦した。 「誰もが安心して暮らし、活躍できる鹿児島」をスローガンに掲げたマニフェスト(政策綱領)では、基幹産業(農林水産業、観光関連産業)と企業の「稼ぐ力」向上、奄美・離島の振興など14分野131項目の施策を示した。選挙戦でアピールしたのは決断力と実行力。「さまざまな意見に耳を傾け、誠実に、着実に、県政を推進していく」と訴え、幅広い支持を得た。 米丸氏は、県が進めるドルフィンポート跡地(鹿児島市)での新総合体育館整備計画見直しを主張。人口減少対策や県民所得向上、観光振興への取り組みも重点施策として訴えた。若者や女性票の取り込みを図り、塩田氏への推薦を取り下げた県医師連盟の応援もあったが、届かなかった。 樋之口氏は、九州電力川内原発(薩摩川内市)の運転延長や、県内で進む自衛隊関連施設整備に反対を訴えた。「大事なことは県民の声で決める」と強調し、共産党県委員会も自主的に支援したが、得票は伸び悩んだ。 当日有権者数は128万4427人。投票者数は57万4865人。