「こんな現場は異質です」有野課長が語る『ゲームセンターCX』が唯一無二である理由
■「石田が歌うとイベントが締まる」 ――昔のテレビって、視聴者がスタッフのことを知っている番組も多かったじゃないですか。 有野 そうそう。とんねるずさんのとか。裏方さんを放送に出すっていうね。 ――それで視聴者が番組そのものにも愛着を持ちやすくなっていたんだと思うんですが、『ゲームセンターCX』はまさにそれをやっていますよね。だから、「スタッフに会いたい」っていうファンも多いのでは? 有野 そうなんですよ。何度か年末にやった秋葉原のスタンプラリーなんて、有野課長は行きませんからね。スタッフからスタンプをもらうためにたくさんのお客さんが来る。タレント抜きで番組イベントが成立するんだって驚きました。 ――演者としては複雑だったり? 有野 そら嬉しいです。辞めたスタッフも手伝いに来てくれるし。写真撮ってファンサービスもしてくれる。それを僕はSNSで見てるだけ。 ――たくさんの番組に出演されていますが、そんなことは珍しい? 有野 普通は嫌でって辞めていくから(笑)。でも、この番組は「イベントやるでー」って言うたら遠くからわざわざ来てくれる。で、一曲歌って帰る。 ――(笑)。 有野 不思議ですよね。番組は好きやけど、業界が疲れたのかな。 ――有野さんにとって、この番組の皆さんはどういう存在ですか? 有野 学校っていうより、近所の友達みたいな感じです。年齢関係なく話せる感じ。スタッフも楽しかったから来てくれるんだろうし。ただ、こんな現場は異質です(笑)。 ――『ゲームセンターCX』はテレビ業界のスタンダードではない。 有野 演者とスタッフが一緒にゲラゲラ喋りながらご飯食べる番組は、ほかにないですよ。理想の距離感やけどね。 ――スタッフの熱唱がイベントの恒例になることもないし。 有野 でも、石田プロデューサーが歌うとイベントが締まるんですよ。 ――たまアリでも最後に『戦え! 課長ファイター』を歌っていました。会場の一体感がすごかったですね。 有野 でも、センターで歌ってるのは石田P。課長は手拍子だけ。変な番組やね。 ◆後編は2/18(日)13時配信予定です。 ■ニンテンドーDSで発売された「ゲームセンターCX 有野の挑戦状」と「ゲームセンターCX 有野の挑戦状2」が『ゲームセンターCX』20周年を記念し、1つのソフトになってリマスター! Nintendo Switch向けソフトとして2月22日(木)に発売! 取材・文/小山田裕哉 撮影/撮影/内田ケンイチロウ