「こんな現場は異質です」有野課長が語る『ゲームセンターCX』が唯一無二である理由
――それだけ当時の「挑戦」に対する人気はすごかったんでしょうね。 有野 たしか当時のスタッフが2ちゃんねるの反響を全てプリントアウトして持ってきたんですよ。「普通は否定的な意見ばかりなのに、肯定が多くてすごい」って。 ――それ、読んだんですか? 有野 「読みます?」って聞かれたけど、絶対イヤやって断った(笑)。タウンページくらい分厚い量。そんでDVDを出すとなって、宣伝のためにイベントを始めたんじゃないかな。 ■なぜスタッフの熱唱がイベントの恒例に? ――それがどんどんエスカレートしていって、たまアリまでたどり着いた、と。ただ、スタッフが歌や芝居を披露するっていうのも、番組のイベントとしては珍しいですよね。 有野 悪ふざけですよ。どこで歌い出したんやろ? スタッフ 「24時間」のときです。 ――2009年8月ですよね。日テレの『24時間テレビ』の裏でCS史上初の24時間生放送をして。エンディングでは7代目ADの中山さんが番組オリジナル曲の『ラストコンティニュー』を歌っていました。 スタッフ 多分、『サライ』を意識したんじゃないですかね。 有野 そうか。本家の裏だからね。 ――ゲーム番組でその発想もすごいですけどね。 有野 毎年の恒例イベントにしたかったのかもしれないですね。でも実際に24時間やってみたら予想以上にしんどかったので、もうやってません(笑)。本家はいろんな番組をつないでやるけど、こっちは一つの番組で24時間やから、スタッフも大変でした。 ――でも、そこで生まれた歌が番組の象徴となり、後にはこれもスタッフが歌う『戦え! 課長ファイター』というアンセムも誕生しています。今やイベントに欠かせない要素となりましたが、有野さんもゲーム以外のことをやってみたいと思ったことはありますか? 有野 ないよ。ゲームしかしたくない(笑)。何かを練習して、それを披露してくださいってなったら、プレイに集中できひんと思います。 ――有野さんにはプレイに集中してほしいから、その他の部分はスタッフが担うことになった? 有野 そういうのもあるんでしょうね。でも、イベントで出てもらう元スタッフは、テレビの世界から離れている人も多いから、演出の意図とズレてしまうこともあって。 たまアリでいうと、初代ADの東島が最初にプレイして失敗して、有野課長が登場!東島のリベンジを!って流れは分かるのに、東島が頑張りすぎて見事クリアしてしまった(笑)。 ――有野さんが出る前に達成感が生まれてしまった。 有野 裏からずっと見てたんですけど、「あいつなにしてんねん!」って(笑)。