「何か自虐を言えない世の中のほうがつらい」―― 川村エミコ42歳、仕事・恋愛に忙しい日々
容姿や風貌をいじりあうネタも自然に生まれた。 ただ、お笑い界では近年、「ルッキズム(外見主義)」への抵抗や、多様な美しさを認める「ボディー・ポジティブ」の考えも広まっている。 「そこって今はすごくセンシティブで。『いろいろ言わないでほしいわ』っていう人の気持ちも分かるけど、私は傷つかなかったかな。むしろそれって、ガス抜きじゃないけど、自虐でも言えたほうが幸せじゃない?って思ってたし。親が高齢だったから、『ああ! 年とると膝が痛いわ』とか、しょっちゅう自虐を言っていたんです(笑)。何か自虐を言えない世の中のほうがつらいと思うんですね。弱い部分に傷つくんじゃなくて、笑い合えたらいいのにって」 「物事は、ポジティブにも、ネガティブにも考えられると思うんです。そう思えたのは両親のおかげ。うちの両親は極端で、例えば数字でいうと、「『4』は死ぬだから良くない」って言う父に対して、母は「そんなの関係ないわよ、幸せの『4』でしょ」と。ネガティブとポジティブをちっちゃいときから両方受けてたんですよ。両面あると分かった上で、自分がどうエンジョイして生きてくかってことが大事。決め付けて、努力をしないことにつなげちゃいけないと思ってて。だから今年も、仕事も恋愛も全力で向き合います(笑)」 「笑う門には福来る」ということわざがある。腐らず、折れず、楽しく過ごすという川村の考えは2022年、きっと幸福を呼び寄せるに違いない。
--- 川村エミコ 神奈川県横浜市生まれ、三浦市育ち。42歳。2008年に白鳥久美子とお笑いコンビ「たんぽぽ」を結成。由来は「根っこが長くて摘んでも摘んでもまた生えてくるたんぽぽの雑草根性に共感したから」。2020年10月に初のエッセイ集「わたしもかわいく生まれたかったな」(集英社)を出版。学齢期の子供の悩みに少しでも力になりたいとYouTubeおかっぱちゃんねる内で動画も配信中。