ディレクTVがディッシュ買収中止、債券保有者同意せず
(ブルームバーグ): 米衛星放送大手ディレクTVは、同業のディッシュ・ネットワークの買収を中止する意向をディッシュの親会社エコスターに通知した。主要な債券保有者の同意を得られなかったためで、米最大の有料テレビプロバイダー創設に向けた試みは頓挫する方向だ。
ディレクTVは今月に入り、債務交換問題が決着しなければ、22日深夜までに買収を取りやめる考えを示していた。事情に詳しい関係者によると21日夜遅くの時点で、同社が債券保有者と新たな協議を始めディールを維持しようとする動きはなかった。
ディレクTVは衛星通信インフラ会社のエコスターから子会社のディッシュとオンラインサービス「スリングTV」を取得するが、名目上の対価は1ドルとし、これに約97億5000万ドル(約1兆5000億円)の債務継承分が加わるのが当初の条件だった。ディレクTVは、約1800万人の加入者を持つ米最大の有料テレビプロバイダーとなる見通しだった。
ディレクTVのビル・モロー最高経営責任者(CEO)は、「ディレクTVとディッシュの組み合わせは全ての利害関係者に利益をもたらすと信じていたが、提案した交換条件がディレクTVのバランスシートと業務上の柔軟性を守る上で必要だったため取引を中止することにした」と発表資料で述べた。
ディッシュの社債保有者グループは、ディレクTVが10月末に提示した債務交換の修正案を拒否した。
ディレクTVは、米通信大手AT&Tとプライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社TPGが共同所有している
原題:DirecTV to Call Off Dish Takeover After Bondholders Balk (1)(抜粋)
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Kelcee Griffis, Reshmi Basu