情報漏洩事件で鹿児島県警の前部長を起訴 弁護人「裁判の場で主張」
鹿児島県警の内部文書が漏洩(ろうえい)した事件で、鹿児島地検は21日、県警の前生活安全部長、本田尚志容疑者(60)を国家公務員法違反(守秘義務違反)の罪で起訴し、発表した。 【写真】不祥事をめぐる一連の経緯について説明する鹿児島県警の野川明輝本部長=2024年6月21日、鹿児島市鴨池新町、西岡矩毅撮影 起訴状によると、前部長は3月28日ごろ、在任中に作成したストーカー規制法違反事件の捜査経過や被害者の名前などを記した書面を、鹿児島市内から第三者に郵送し、職務上知り得た秘密を漏らしたとされる。関係者によると、受け取ったのは札幌市在住のライター小笠原淳さん(55)。 前部長側は文書の郵送について「内部通報のようなもので、守秘義務違反には当たらない」と訴えていたが、地検は「起訴するに値する悪質性がある」と判断した。 一方、本田前部長は21日、保釈された。弁護人は「裁判の場において、主張を適切に行って参りたい」とした。(冨田悦央) 鹿児島県警の前生活安全部長が国家公務員法違反(守秘義務違反)罪で起訴されたことを受け、県警の野川明輝本部長らが21日、記者会見した。枕崎署員による盗撮事件の捜査をめぐり、前部長が主張した本部長による「隠蔽(いんぺい)」について改めて否定。一方、この事件の指示で「捜査の基本に欠けるところがあった」として、警察庁長官訓戒の処分を受けたことを明らかにした。警察庁は24日から県警に対する特別監察を実施する。
朝日新聞社