そろそろ確定申告のシーズンだが…「必要な人」「不要な人」「不要だが、したほうがいい人」とは?【FPが解説】
確定申告が不要な人…年金受給者は、基本的に不要だが
生徒:私の母は年金収入しかありません。無職の高齢者は確定申告が不要と考えて問題ありませんか? 先生:公的年金をもらっている高齢者は、基本的に確定申告をする必要はありません。ただし、年金が400万円より多く、年金以外の所得が20万円を超えた場合には、確定申告が必要になります。
「税金、納め過ぎ!」確定申告は不要だが、したほうがいい人
生徒:「確定申告は不要」とされている人でも、確定申告をしたほうが節税できる場合があると聞きました。どのようなケースでしょうか? 先生:それは「余分に税金を納めてしまっているとき」ですね。その場合、確定申告を行えば還付金を受け取ることができます。 生徒:税金を余分に納めてしまうのは、どんなときなのでしょうか? 先生:例えば、事業で赤字が出ているケースですね。個人事業主やフリーランスは、赤字が出ている場合、払いすぎた税金の還付を受けられることがあるので、確定申告したほうがよいでしょう。青色申告事業者であれば、確定申告を行うことで、事業の赤字を翌年以降3年間繰り越したり、損失額を前年に繰り戻して還付金を受け取ったりすることができるからです。 生徒:なるほど…。 先生:また、住宅ローンの申込みや幼稚園の申請などを行うには「所得証明書」が必要とされますが、個人事業主やフリーランスの場合、確定申告を行っていないと証明書は発行されません。これらが必要な場合は、確定申告を行うことになります。 生徒:先ほども話に出ましたが、会社員が年度の途中で退職した場合、その会社で年末調整を受けることができませんよね。 先生:会社員は、毎月の給料から所得税が天引きされますが、毎年1度の年末調整で最終調整して、払いすぎた税金については還付を受けています。年度の途中で退職した場合、最後の年度に関して、会社は年末調整をしてくれません。税金の還付を受けるには、自分で確定申告をする必要があります。 生徒:副業のアルバイト収入がある場合はどうでしょうか? 先生:その場合も、アルバイト先で源泉徴収が行われているはずですが、税金を取られすぎていることがあるので、確定申告をすることで還付が受けることができるかもしれません。 生徒:医療費が10万円を超えた場合も、医療費控除が使えますよね? 先生:1年間の医療費が10万円を超えている場合、確定申告を行うことで所得控除を受けることができます。自分のものだけでなく、生計を同一にする家族の医療費も対象となります。 生徒:ふるさと納税でも節税できると聞きました。 先生:ふるさと納税とは、応援したい自治体に寄附をすることで、寄附した金額の所得が控除されたうえで、返礼品がもらえる制度です。確定申告が必要となるのですが、会社員で寄附先が5ヵ所以下であれば、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用すればよいでしょう。 岸田 康雄 公認会計士/税理士/行政書士/宅地建物取引士/中小企業診断士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士/国際公認投資アナリスト(日本証券アナリスト協会認定)
岸田 康雄