丸山茂樹監督が感謝の涙 銅メダル獲得の松山英樹は「本当の実力者」
◇パリ五輪 男子 最終日(4日)◇ル・ゴルフ・ナショナル(フランス)◇7174yd(パー71) 【画像】チームJAPAN 日本代表の監督を務める丸山茂樹が、松山英樹の銅メダル獲得に涙した。「こんなにうれしいことはない。泣くのはなかなかないからね。韓国ドラマを観る時くらい(笑)。ゴルフ場で、こういう感動で泣いたのは久しぶり」。緊張感に満ちた4日間を終え、喜びいっぱいに語った。 ゴルフが112年ぶりに正式競技に復帰した2016年リオデジャネイロ五輪、21年東京五輪に続いて3大会連続で務めた大役。男子では悲願のメダル初獲得が決まった瞬間、松山とはハイタッチを交わし「ありがとう」と声をかけた。
プロゴルファーにはそれぞれスイングコーチ等の指導者がいることから、丸山は選手の細かい調整の時間帯は黒子役に徹した。「メダル(獲得)の“匂い”がある外国の選手とは、自分と写真を撮っていたんだ。“呪い”をかけようかな…と思って」と冗談めかしつつ、代表チームの精神的支柱であり続けた。
3年前はプレーオフで銅メダルを逃した松山について、パリでは開幕前から意識の高まりを感じていたという。「本人も金メダルが獲れたら、このまま(PGAツアーの)プレーオフ最終戦まで休んでもいいぐらいと言っていたほど。年齢を重ねて、次の大会(28年ロサンゼルス五輪)ではもう30代半ばを過ぎてしまう。今の時代、若い力がどんどん強くなっているから本人もここでメダルを獲りたい思いは強かったんじゃないかな」 長年同じ米ツアーで過ごした先輩だからこそ、「手が動かなかったのも正直な感想じゃないかな」と最終盤で背中にかかった重圧の大きさも理解できる。「自分だけのためだったら動いても、『これを獲ったら国に貢献できる』と思ったらやっぱりちょっと違う」
そのプレッシャーをはねのけ、つかんだメダル。「(松山は)やってくれると思いながらも、3本指(3位まで)に入らなくちゃ意味がない試合で、あの強豪たちを相手にするのは、やっぱり並外れた精神力がある。僕もいろいろ代表なんかでやってきたけれど、(大一番では)なかなかかみ合わないもの。本当の実力者が上に来るんだ」と称賛した。