インバウンドが順調に戻りつつあるなか、回復が遅いのが中国からくる訪問客の数です。中国ではもうすぐ大型連休を迎えますが、日本を訪れる人は以前より大きく減りそうです。一方で、日本の観光地などでは、新たな変化がありました。（真相報道バンキシャ！） ◇◇◇ 中国人観光客が来ない、その影響は…？バンキシャ！が外国人観光客が多く訪れる店を取材すると、それでもやっていけるある意外な理由がありました。 　　 23日、バンキシャ！は中国・北京の天安門広場へ。 NNN北京・森葉月記者 「見えてきましたね。大きな花飾りが設置されてます」 およそ1週間後、中国では建国記念日にあたる「国慶節」の大型連休が始まる。市内では飾り付けが進み、お祝いムードが高まっていた。 多くの人が国内や海外を旅行する「国慶節」の大型連休。日本もこれまでは人気の旅行先だったが、“ある異変”が。 中国の大手旅行会社のサイトを見てみると…。 記者 「人気の旅行先ですが…日本は入ってないです」 「国慶節」の人気の海外旅行先として並んでいたのは、タイや韓国、オーストラリアにイギリスなど。毎年常連だった日本が入っていない、異例の事態となっていた。バンキシャ！は北京市民に「日本へ行きたいか」聞いてみると…。 北京市民 「ビザを持っているし、行かない理由はない」 ──（記者）処理水の心配は？ 北京市民 「科学を信じているから心配ない」 しかし中には…。 ──（国慶節で）一番行きたいのは？ 北京市民 「第一希望はタイです」 「日本も考えはしました。“核物質漏れ”がなければ、旅行したかった」 北京市民 「日本にはもう行きません。日本製品もボイコットしてます」 「以前は日本の化粧品を使うことが多かったけど、今は違うものを使っています」 処理水の放出、その影響が続いていた。 懸念される、中国人観光客の“日本離れ”。しかし、日本の観光地を取材するとその影響は意外にも…。 バンキシャ！は24日、ロープウェイで神奈川・箱根町の大涌谷へ。 記者 「なんか少しずつ色づいてる？秋の気配を感じます」 ロープウェイを降りると、そこは…。 記者 「東京と比べると涼しい。箱根の山はすっかり秋です」 富士山の姿もくっきり。あちらこちらで外国人観光客が、“日本の秋”を楽しんでいた。 先月、日本を訪れた外国人の数は、初めてコロナ前の8割を超えた（2019年同月比85.6％、日本政府観光局による推計）。 しかし、（香港を除く）中国人旅行者の戻りは鈍く、コロナ前の4割以下にとどまっている。 大涌谷で聞いてみても…。 ──どこから来ましたか？ 「カンボジア」 「韓国からです」 「シンガポールから来ました」 10組に取材したが、中国人観光客は1人もいなかった。売り上げなど影響はないのか。箱根町の土産物店は…。 箱根町の土産店 「欧米からの旅行者が代わりに増えています。よくお金を使うので、中国人観光客が減っても売り上げにはあまり影響はありません」 23日、東京・銀座の中古ブランド品販売店「ブランドオフ銀座本店」。客のおよそ8割が外国人だというが、中国人観光客はやはり戻ってきていないという。 ブランドオフ銀座本店・駒田武店長 「（中国人観光客は）以前と比べると、まだ4割くらい」 売り上げは落ちている、かと思いきや…。 ブランドオフ銀座本店・駒田武店長 「（この店では）客単価がコロナ前と比べて約3倍伸びているので、来店客数は減っているけど売り上げは伸びている」 また、円安によるお得感から、コロナ前より高価な商品を買う客が増えているという。 この日、店を訪れていたのはフィリピンから来たカップル。彼女が買ったのは…。 フィリピンからの観光客（不動産業） 「シャネルのバッグです。鮮やかな色が気に入りました」 値段は約42万7千円。さらに前日には、別の店で約80万円のバッグもゲットしていた。 ──彼女はバッグを2つ買ったけど、彼は高価な物を買っていない？ フィリピンからの観光客（不動産業） 「ロレックス！」 ──ロレックス買ったの！？ ロレックスの時計は約400万円で購入したという。中国以外からの観光客がいまのインバウンド消費を支えていた。 22日、羽田空港の出発ロビー。ここでも…。 記者 「なんかすごい。広げている人がいます」 ハワイから来た夫婦。5日間の滞在を終え、帰国するところだという。かなりの大荷物だが…。 ──なにこれ、全部お菓子！？ ハワイからの観光客 「日本の食べ物が本当に大好きなんです」 焼き菓子やスナックなど、実に15万円分をお買い上げ。家族や友人に配るという。 ──袋いっぱい…。ちょっと持たせてもらっていい？結構重いね！ ハワイからの観光客の妻 「はい」 ──すごい量だな… ハワイからの観光客の妻 「レジで店員さんにすごく笑われましたよ」 （9月24日放送『真相報道バンキシャ！』より）