ブラジル人ドライバーが避けては通れないアイルトン・セナの存在。ドルゴビッチ語る「僕の目標は、セナの足跡を辿り、F1のグリッドに立つこと」
アストンマーチンのリザーブドライバーを務めつつ、近い将来のF1デビューを狙っているフェリペ・ドルゴビッチが、母国の英雄であるアイルトン・セナについての想いを、F1公式サイトに寄稿した。 【ギャラリー】アイルトン・セナとマクラーレン 1988-1993 ブラジルは数々のF1ドライバーを輩出している。エマーソン・フィッティパルディやネルソン・ピケといったチャンピオン以外にも、ルーベンス・バリチェロやフェリペ・マッサなど、F1ウイナーも同国から誕生……しかし、アイルトン・セナ以上に大きな影響を与えた存在はいないだろう。 そんなドライバーたちの存在もあり、ブラジルでは今もF1は高い人気を誇っており、例年インテルラゴス・サーキットで行なわれるグランプリ(今はサンパウロGPと呼ばれている)には、数多くの観戦客が詰め掛ける。 しかしマッサが2017年限りで引退したのを最後に、ブラジル人F1ドライバーはゼロという日々が続いている。そんなブラジルの次期F1ドライバー候補最有力がドルゴビッチだ。ドルゴビッチは2022年にFIA F2でチャンピオンに輝いたドライバー。しかしF1シートに空きがなかったためにデビューは叶わず、現在はアストンマーチンのリザーブドライバーを務めている。 ドルゴビッチは2000年生まれの23歳。セナは1994年の事故で他界しているため、ドルゴビッチはリアルタイムでセナの存在を知っていたわけではない。しかしその影響は、大いに受けてきたという。 「僕は8歳の時にゴーカートに挑戦し、そこから全てが始まったんだ」 そうドルゴビッチは言う。 「なぜブラジルがモータースポーツをこれほどまでに愛しているのか、それを説明するのは難しい」 「でもセナの後、この国はF1に対して非常に情熱を持っていて、人々は常にF1を見続けている。今でも非常に情熱的なんだ」 ドルゴビッチの家族もセナのファンであり、家にはセナに関係するグッズが溢れていたとドルゴビッチは言う。そして、自分が成長していく上で、セナという存在は大きな影響を及ぼしたという。 「セナは、僕が成長する上で大きな影響を与えてくれた存在だ」 「僕はリアルタイムで彼のドライビングを見ることはできなかった。でも、当時の様子を感じようとした。今でも見られる物語やドキュメンタリーがたくさんあったから、そこから学ぶことができたんだ」 「また今のチーム(アストンマーチン)には、セナと仕事をしてきた人がたくさんいる。だから、色々な話を聞くこともできる」 「ウイットマーシュ(マーティン・ウイットマーシュ/現アストンマーチン・グループCEO、元マクラーレンF1代表)は、アラン・プロストとセナが、F1で初めて関わったドライバーだったはずだ。彼から、いくつか話を聞いたよ」 他のどんな存在とも、セナは異なっていたはずだと、ドルゴビッチは言う。 「彼は当時の他のアスリートとは、全く異なっていた。性格も違うし、すごい集中力だった。そして、コース上で仕事をこなしていった」 「誰とも異なる何かを持っていたんだと思う。その上、ファンへの接し方もとても素敵だった。だから彼は尊敬を集めたんだと思う」 ドルゴビッチは、自身もF1にたどりつくことが目標だとしつつも、ブラジルを代表するのは重みを感じるとも語った。 「僕の最終的な目標は、セナの足跡を辿り、(F1の)グリッドに並ぶことだ。それができれば、素晴らしいことだろう」 「かつてセナがいたこともあって、ブラジルの人たちはF1にとても情熱を持っている」 「だから、とても重みを感じるよ。良い意味での重みだ。そしてブラジルの人たちは、僕がブラジルで、ブラジルを代表して戦うことを望んでくれている。いつかそれが実現できることを願っている」
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