県内43市町村のうち15市町村が消える可能性…人口流出に直面する自治体、移住・定住策だけでは大きな流れ変えられず
ニッセイ基礎研究所の天野馨南子・人口動態シニアリサーチャーは「政府の施策が移住促進に偏り、地方から都市部への人の動きを詳細に分析できていない」と指摘する。特に09年以降、男性よりも20代の女性が就職を機に都市部に流出する傾向が全国的に高く、人口減に拍車をかけているとみるからだ。 総務省の住民基本台帳人口移動報告でも、19年までの10年間で鹿児島から3万6306人が県外に流出。うち女性は2万1029人で、男性の1.38倍。新型コロナを経た23年までの4年間は9525人で、女性が7274人と男性の3.23倍に上る。 「家族形成の核となる女性が、いかに地方に残れるかが今後の鍵になる」と天野氏は語る。子育て支援策だけでなく、女性が働きやすい環境を備えた地方企業の増加が欠かせないとし、「的確にターゲットを絞った施策でなければ、負のスパイラルから抜け出せない」と問題提起する。
南日本新聞 | 鹿児島