中地区首位を独走する三遠ネオフェニックス、大野篤史ヘッドコーチが大切にする『絶え間ない努力』の成果
A東京との頂上決戦を終え「CSに向けて良いトレーニングになった」
『絶え間ない努力』を求めている今シーズンの進化として、大野ヘッドコーチも「二人には言い続けてきた成果が出てきている」と言うように、サーディ・ラベナと金丸晃輔の存在を挙げた。ラベナは昨シーズンよりも速く、強い気持ちでリングにアタックし、三遠のお家芸になっているファーストブレイクの筆頭としてオフェンスを引っ張る存在へと成長した。また、オフェンスマシーンと称されていた金丸はベテランの域に達しているが、得意ではないと言えるディフェンスに対して最も高い意識で臨む姿を見せており、進化を止めることがない。このような『絶え間ない努力』がこの連勝を樹立した礎になっていることは間違いない。 実にここまで多くのテコ入れをしてきたように見えるが、大野ヘッドコーチの信念、求めるものは千葉ジェッツ時代から何も変わっていない。そこには過去の自分が選手としてある一定のレベルで満足し成長を止めてしまったことの後悔がある。だからこそ、今、プロバスケットボールプレーヤーとして限られた時間を過ごす選手たちには後悔する選手生活を送って欲しくはなく、そのためにも成長をし続けること、コミュニケーションを取り自分の思っていることを伝える重要性を提唱し続けている。クラブが変わっても確固たる信念が根底にあり続け、所属している選手に合った言葉を用いて投げかけている。 単発で言うことは簡単だ。しかし、行動に移すこと、それを継続していくことは簡単ではない。確固たる信念を持って伝え続けるヘッドコーチと、それを素直に受け止める選手たち。その強い信頼関係が今の成績を物語っている。 A東京との頂上決戦を1勝1敗で終えた後、大野ヘッドコーチは「身体的なタフさと、全体的タフさを持ち合わせてないと、やはり勝ち抜くことはできない。CS(チャンピオンシップ)に向けて良いトレーニングになった」と総括した。バイウィーク明けも『Relentless』を胸に進化を続ければ、大野ヘッドコーチがあえて口に出していない『自分たちが求める場所』に上り詰める日はそう遠くないだろう。
河原田高広