授業終わりにダッシュで授乳へ 伊予農業高校の生徒たちが挑む子ブタの人工飼育 命との向き合い重みを学ぶ
24時間体制の奮闘 学校を超えた命との向き合い
授業が終わって下校…かと思いきや、なんとブーブとコンちゃんも一緒に帰宅する。荷台にキャリーをのせて自転車で1時間ほどの通学路を一緒に登下校しているのだ。 「全然鳴かないですね、寝てます」と岡田さん。「意外と振動が良い感じなのかもしれないです」と、子ブタたちの様子を気遣う。 森さんの自宅には玄関にブーブ専用のスペースがある。いつもこの場所でミルクをあげたり、遊んだりしている。 森さんの母、篤美さんは「やっていけるのかなと思いました。ほんとに?みたいな」と最初は心配したという。「まだ子供も育てたこともない子がこうやってちっちゃい赤ちゃんを育てるというのはすごい大変だと思うし、親からするとそうじゃないと思うことも沢山あるんですけど、でもすごい奮闘しててすごい素晴らしいなと思います」と、娘の成長を誇らしげに語る。 森さんは「大変です」と正直に語りつつも、「分娩介助、ブタの出産に立ち会う授業とかがいっぱいある中で命の大切さっていうのを身に染みて分かっているから、せっかく生まれた命を無駄にしたくないっていう気持ちが強いんだと思いますね」と、その原動力を説明する。
命との向き合いが育む未来への夢
同級生たちも2人の姿に感銘を受けている。 ある男子生徒は「授業にも活発に参加して、ブタを家に持って帰って、動物にも優しい、いい子だなと思います」と評し、別の男子生徒は「なんか優しい目をしていていい子だな~と思います」と2人の人柄を褒める。 また、「子守をしているような(子豚に対して)愛があるみたいな感じですね」と、2人の子ブタへの愛情深さを指摘する生徒もいる。 彼女たちが大変な人工飼育を続けられているのは、畜産から学ぶ命の大切さを感じているからだ。そんな2人には将来の大きな目標がある。 森さんは「私の夢は農業法人を設立して日本人の栄養状態を底上げすることです」と語る。 岡田さんは「私は酪農がしたいです。来年は北海道に行くのでそこでいっぱい日本の酪農について学んで将来的にはニュージーランドとかの海外の酪農と日本の酪農を比べて自分の力にしていきたいです」と抱負を語る。 命を預かる経験や学びは、2人にとってかけがえのない財産となり、夢への歩みを確かなものにしている。 (※高内康雄先生の「高」は「はしご高」) (テレビ愛媛)
テレビ愛媛