日本の化粧品大手、中国の消費減速や現地メーカー台頭で苦戦…グローバル・サウス開拓の動きも
財務省の貿易統計によると、日本から中国への化粧品輸出額は急増し、21年には3709億円を記録した。しかし、その後は減少に転じ、23年は2813億円だった。24年1~10月は1883億円にとどまっている。
視線は東南アジア・インドなどの新興国市場へ
中国事業の立て直しに有効な手を打てない中、東南アジアやインドなど他の新興国市場に活路を見いだす動きもある。
コーセーはタイの化粧品会社「ピューリ」を約130億円で子会社化する。ボディークリームやヘアケア商品などの高級ブランドを強みとする。小林一俊社長は今月10日の記者会見で「グローバル・サウスでの販売を強化していく。今後も積極的に事業提携や買収を進めていく」と述べた。
マンダムも今後、インドや中東などへの進出を目指す。西村健社長は「肌や髪の質感が違う地域への進出は比較検討すらしてこなかったが、次の一手を打つ必要がある」と話す。大和総研の斎藤尚登経済調査部長は「中国一辺倒の経営はリスクも大きい。インドやアフリカといった新しい市場の開拓が必要だ」と指摘する。