子育て中の片付け、あなたはどう思う? 近藤麻理恵「"片付け"の優先度はライフステージで変わる」
ライフステージによって「片付け」は変わる
――子育てを経験したことで、ご自身の中での片付けへの向き合い方に変化はあったのでしょうか。 近藤麻理恵: 実際に自分が子育て中に片付けができなくなったという経験をして良かったのは「片付けられない」のではなくて、「今はほかのことを頑張ってる時期なんだ」と思えるようになったことです。片付けができない時期があったからこそ、私自身の片付けを大切にする思いが増したとも感じています。 皆さんも試験前に片付けをしたくなる気持ちになったご経験があると思うんです。試験前って「勉強しなきゃ」と焦る気持ちがあるからこそ、部屋の散らかりがすごく気になって「まずは目の前の状況を整理したい」という気持ちになるんですよね。 実際に部屋を片付けると、自分の心も整理されて勉強に向き合えたり、本当にやるべきことが明確になったりする。片付けは、言うなれば自分にとってときめくものを選んでいく“自分の心との対話”なんです。心を整えることに興味がある方こそ、まずは環境を整えることに向き合ってみていただきたいですね。 ――お子さんが成長するにつれて、片付けの考え方にも変化が生まれていますか。 近藤麻理恵: そうですね。子どもが大きくなってくると、学校で使うものがどんどん増えたり、子どもが自分だけのスペースが欲しくなったりと、ライフステージごとに必要なものや、家族にとってのときめく状態は変わっていくものなんだ、というのを年々実感しています。 たとえば、子どもが選ぶものが、私の好みと違っていたとしても、子どものときめくものを大切にしてあげたいなと思ったり、ここは話し合いが必要だぞ、という場面があったり。私自身も悩んだり、調整したりする日々ですが、片付けの新たな経験ができるのは楽しいです。 ――子育てや海外での経験などを踏まえて、改めて片付けに悩む人たちにどういったメッセージを伝えていきたいですか。 近藤麻理恵: 勉強や仕事、子育てや介護など、その人にとって「今集中するべきこと」があるときは、必ずしも片付けを第一優先にしなくてもいいと思っています。とにかく大事なのは、今の自分にとって大切なものは何なのか、きちんと大切にできているかを見つめることです。 ときめきはライフステージによって移り変わっていくものなので、これまでときめいていたものの優先順位が変わることがあったとしても、それは自然なことですよね。「自分は今、そういう時期なんだ」と受け止めつつ、少しでも前向きに日々を過ごせるよう、目の前にある小さなときめきを味わうことが大切なのだと思います。 ---- 近藤麻理恵 東京都出身。片づけコンサルタント。幼少期から片付けに興味を持ち、独自の片付け法「こんまりメソッド」を編み出す。著書『人生がときめく片づけの魔法』が世界的ベストセラーになり、活躍の場を海外にも広げている。新刊『こんまり流 今よりもっと人生がときめく77のヒント』が好評発売中。 Yahoo!ニュースVoiceでは、“子育て中の片付け”に関するモヤモヤについて、あなたの体験を募集しています。本記事にコメントを投稿してみませんか? Yahoo!ニュース内コンテンツにて、いただいたコメントを取り上げさせていただく場合がございますのでご了承ください。 文:佐々木ののか (この動画記事は、TBSラジオ「荻上チキ・Session」とYahoo! JAPANが共同で制作しました)