【カルティエのジュエリー】時代を経ても変わらないパリシックを感じられる稀有なメゾン
ジュエリーを愛するスタイリスト・清水奈緒美さんが選ぶメゾンの逸品。カルティエからチョイスしたのは、文学好きな清水さんらしい、あのアイコンが生涯愛したデザイン。高品質な地金の魅力にも注目したい。 【写真】カルティエのピアスをもっと見る
カルティエ「LOVE」シングルピアス
ジュエリー好きな父親から学生時代にプレゼントされたシグネットリングが、清水さんとカルティエとの初めての出合い。 「成人したときには父から『トリニティ』を贈られました。このリングにしかない、スリーゴールドの美しさとデザインは、いつ見ても感動してしまいます。指に通したときの独特なしなやかさ、角のない完璧な丸み、3色の融合が絶妙なバランス。定番ですが、太さやロゴの位置が微妙に異なっていたりと、折々バランスをアップデート。このアノニマスな形状で、時代に合わせてこまやかにブラッシュアップしている点にもうなります」
カルティエ「トリニティ」リング・「LOVE」ブレスレット
憧れのメンズアイコンを通して、「トリニティ」がパリシックを学ぶきっかけをつくってくれたと清水さんは振り返る。 「もともとジャン・コクトーが好きで、彼が晩年を過ごしたミリー・ラ・フォレの家を訪れたことがあります。そのとき、生前身につけていた『トリニティ』が展示されていて興奮しました。彼はそれを左手の小指に2本、重ねづけしているのですが、私もあやかって、左手の小指につけています。彼の過去のポートレートを見ると、いつもスーツ姿にさらりとリングを合わせていて、本当に素敵なんです」 専用のドライバーを使い、ビスを開閉できる「LOVE」ブレスレットはカルティエの地金の美しさを堪能できると清水さん。 「ひとりではつけられない、愛をロックするというストーリーもロマンティックですよね。ダイヤモンドを配したラグジュアリーなタイプも魅力的ですが、私は地金で勝負するシンプルなデザインが好み。きゃしゃな細さや、新鮮なブラッシュ加工があったりとバリエーションも幅広い。ビスのモチーフはブレスレットだけでなくほかのアイテムにも使われていますが、ピアスはさりげなくて印象的。ぜひおすすめしたいです。また、撮影用に選んだ『マイヨン パンテール』はヒョウのモチーフではなく、動きのしなやかさを連結するモチーフで表現。これもまたカルティエらしい地金のクールさに惹かれています」 ◇スタイリスト 清水奈緒美 ファッション誌の編集者を経て、2010年よりスタイリストとして独立。ものを選ぶ審美眼にファンも多数。モード誌を中心に、広告や俳優のスタイリングも手がける。