輸入品こんろの青い炎がリンナイの原点 名古屋で創業、ガス機器大手に【経済トレンド】
リンナイはガス機器大手。内藤秀次郎と林兼吉が1920年、現在の名古屋市で石油ガスこんろの製造・販売を目的に林内商会を設立したのが始まりだ。(共同通信=出井隆裕記者) 2人は輸入品の石油こんろの青い炎に魅了され、1台を購入して見よう見まねで製造。評判がよかったため勤務していた名古屋瓦斯(現東邦ガス)を辞めて独立した。 内藤が技術、林が営業を担当。家庭での調理や暖房が薪炭からガスに切り替わる時代の流れに乗り、こんろやストーブの製造で礎を築いた。 戦時中は本来の業務の継続が難しく、軍需産業に転換した。1950年に林内製作所として再出発。ドイツ企業の技術を導入し、いち早くガスによる赤外線ストーブの販売を始めた。炎が目立たず、静かで広い場所でもしっかり暖まるため、工場や体育館などの暖房用途で大ヒットした。 1971年には会社名を現在のリンナイに改めた。内風呂の普及のほか、食器洗いなどでお湯の使用機会が増え、現在は給湯機器が事業の柱に。連結売上高の内訳は給湯機器6割、厨房機器2割の構成となっている。