伊達朱里紗

　この人ならツモってくれる、ファンならば誰もが思っただろう。プロ麻雀リーグ「大和証券Mリーグ2024-25」12月19日の第2試合はKONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗（連盟）がオーラスに跳満ツモ条件を満たすアガリでトップ。待望の高目ツモの瞬間は、珍しく力が籠っていた。 【映像】伊達、オーラス突然の“地和チャンス”に放送席騒然 　第1試合は滝沢和典（連盟）が4度のリーチをかけるも悔しい3着。当試合は起家から伊達、BEAST X・猿川真寿（連盟）、セガサミーフェニックス・醍醐大（最高位戦）、KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳（連盟）の並びでスタートした。伊達は東3局、猿川との2軒リーチを制してリーチ・一発・ツモ・裏ドラの8000点をゲット。その後は岡田とトップを競る展開が続いた。 　南2局から伊達は2局続けてのアガリ。これでトップ目に立つも、南4局にラス親の岡田が3局連続のアガリを決め、伊達は1万7800点離れた2着目で南4局3本場を迎えた。ここで手に取った配牌はなんとダブリーチャンス。しかし条件を満たさないため、手替わりを求めて平和・赤のダマテンとした。3着目の猿川も4600点差と近いため、このまま2着確定のアガリもやむなしというところ。 　道中、ツモって裏ドラを乗せれば逆転となるドラの北が来たが、これはすぐさまツモ切り。次巡にまた北を引き、表情は曇ったが伊達は諦めない。その後にタンヤオと高目678の三色同順となる六万を引いて、ようやくリーチを決断した。5・8索待ちで8索ならば逆転の三色同順だ。伊達がいつも以上に力を込めてツモったのは、ファンの歓喜を呼ぶ8索だった。リーチ・ツモ・タンヤオ・平和・三色同順・赤の1万2000点（＋300点）で逆転、個人3勝目。解説の元U-NEXT Pirates・朝倉康心（最高位戦）は「北単騎をリーチしてツモるよりも、こっちのほうが強い」と脱帽していた。 　にっこり口角を上げて登場した試合後のインタビュー。「うっかり『地和チャンスだったんだぞ！』ってダブリー打たなくて、本当に良かった」とまず最終局の選択について思考を語った。「『落ち着け私』！と。これはものすごく跳満チャンスなのに、地和チャンスだったことを自慢したいためだけにダブリーしてはダメだと」と付け加えた。最初のダマテンでは猿川の逆転を防ぐためにも「出たらアガろうと…悩んでいました！」と苦笑い。 　インタビューの最後に「チームポイントがマイナスになってしまうところだったので、トップが取れて、踏ん張れて良かったです」と語った伊達。麻雀の化身が本領発揮となれば、またチームは風向きを変えていきそうだ。 【第2試合結果】 1着　KONAMI麻雀格闘倶楽部・伊達朱里紗（連盟）3万9800点/＋59.8 2着　KADOKAWAサクラナイツ・岡田紗佳（連盟）3万8400点/＋18.4 3着　BEAST X・猿川真寿（連盟）1万9000点/▲21.0 4着　セガサミーフェニックス・醍醐大（最高位戦）2800点/▲57.2 【12月19日終了時点での成績】 1位　赤坂ドリブンズ　＋771.2（48/96） 2位　セガサミーフェニックス　＋542.1（50/96） 3位　U-NEXT Pirates　＋341.9（48/96） 4位　KONAMI麻雀格闘倶楽部　＋77.8（50/96） 5位　TEAM雷電　＋6.3（48/96） 6位　KADOKAWAサクラナイツ　▲97.0（50/96） 7位　渋谷ABEMAS　▲382.3（48/96） 8位　EX風林火山　▲465.2（48/96） 9位　BEAST X　▲814.8（50/96） ※連盟＝日本プロ麻雀連盟、最高位戦＝最高位戦日本プロ麻雀協会、協会＝日本プロ麻雀協会 ◆Mリーグ　2018年に全7チームで発足し、2019-20シーズンから全8チーム、2023-24シーズンからは全9チームに。各チーム、男女混成の4人で構成されレギュラーシーズン各96試合（全216試合）を戦い、上位6チームがセミファイナルシリーズに進出。各チーム20試合（全30試合）を戦い、さらに上位4チームがファイナルシリーズ（16試合）に進み優勝を争う。優勝賞金は5000万円。 （ABEMA/麻雀チャンネルより）