「味がしない!コロナかと思ったら…」花粉症がひどくなって味覚障害に!? 今年の花粉症は…専門医に聞いた
味覚・嗅覚障害になった場合、花粉症などの症状が改善されれば治る?
──花粉症などにより味覚・嗅覚障害となった場合、花粉症の症状が改善されれば完治しますか? 「一般的には副鼻腔炎や咽頭炎の症状が改善するにつれて、粘膜の状態が改善するため、多少の前後はありますが1、2週間以内に満足のいく嗅覚・味覚まで戻ることが多いです。しかし副鼻腔炎が治った後も嗅覚障害がしばらく残る場合もあり、『感冒後嗅覚障害』という病名がついています。統計的には中高年女性に多いとされています。 この場合は病態はコロナ後遺症に近く半年から年単位で改善しないこともあります。もちろん花粉症の鼻詰まりによる嗅覚障害は花粉症治療薬の強化や点鼻薬の併用で鼻詰まりが改善すれば治ることが多いです。口腔内の乾燥による味覚障害も鼻詰まりの改善やくすりの変更などで対応すれば徐々に戻ってきます」 ──来年に備えて、花粉症がひどくなる前の対処法などありましたら教えてください。 「我慢をして症状がひどくなってから受診するのではなく、初期の花粉を感じた段階で受診することをオススメします。初期の1月~2月上旬ならまだ耳鼻科も比較的空いているのでピーク時ほど病院で待たずに済むかと思います。また、症状がひどくなってから薬をのんでも鼻咽腔粘膜はボロボロの状態なので不調が続くことが多いです。初期から治療することで粘膜の調子も安定し副鼻腔炎や咽頭炎のリスクを減らせます。 そして地味に大切なのが、自分が花粉症であることを認めることです。花粉症と認めると症状が一気に悪くなるから認めたくないという人、うすうす花粉症と気づいていても認められない人もかなりいると思います。実は私も大学3年生で急に花粉症になったときに認められなかったので気持ちはよく分かります。そんな人は花粉症であることは認めなくていいので、まずは薬を飲んでみてください。すごく楽になるはずです」 ◇ ◇ 2月に電子書籍「花粉症の正しい治療法~アレルギー性鼻炎の新常識~」(Kindle)を出版したばかりという、おべさん。「重症花粉症患者でもあり耳鼻咽喉科専門医でもある私がアレルギー性鼻炎・花粉症について向き合い、実体験も交えてわかりやすく治療法について解説した本を出版しました。ただ出された薬を何も考えず飲むのではなく、少し理解したうえで自分に合ったくすりを飲むことで、より大きな治療効果を期待できます。漢方や舌下免疫療法や最新の注射薬についてもまとめてありますので興味のある方は一読ください。またXでも花粉症についてのお役立ち情報を発信してますのであわせてぜひご活用ください」と話してくれました。 (まいどなニュース特約・渡辺 晴子)
まいどなニュース