保護司殺害事件、保護観察中だった男を起訴 自宅で面接中に襲ったか
大津市で5月、自らの立ち直り支援を担当していた保護司(当時60)を殺害したとして、大津地検は18日、別の事件で保護観察中だった無職の飯塚紘平容疑者(35)=同市=を殺人と公務執行妨害などの罪で起訴し、発表した。認否は明らかにしていない。 【写真】殺害された保護司からの手紙。「厳しい事も書きましたが……」 保護司は、非常勤の国家公務員。法務省によると、保護司が保護観察中の対象者に殺害されたケースは過去にないとみられる。 亡くなったのは、大津市の新庄博志さん。保護司として、コンビニ強盗事件で保護観察付きの執行猶予判決を受けた飯塚容疑者の立ち直り支援を、2019年7月から担当していた。 起訴状によると、飯塚容疑者は5月24日午後7時前後、新庄さんの自宅での面接中に、新庄さんの頭や首をナイフ(刃体約8・6センチ)やおの(刃体約8センチ)で複数回突き刺したり切りつけたりして殺害したなどとされる。 飯塚容疑者は6月8日に滋賀県警に逮捕された際、「私はやっていませんし、何も答えたくありません」と容疑を否認していた。 大津地検は事件当時の飯塚容疑者の精神状態などを調べるため、今月11日まで鑑定留置を実施。その結果を踏まえ、刑事責任を問えると判断した。 大津保護観察所の担当者は、「保護司宅以外に面接場所を確保するなど、安全面について力を入れて取り組んでいかないといけない」と取材に語った。(鈴木洋和、仲程雄平)
朝日新聞社