死者７人、断水５０００戸 奥能登豪雨 不明６人、孤立５６カ所
奥能登を襲った記録的豪雨は23日、輪島市で80代男性の死亡が確認され、死者は7人となった。石川県によると、安否の分からない人は行方不明者を含めて計6人。輪島、珠洲、能登3市町の5千戸で断水している。能登では元日の地震で広範囲が長期間断水し、5月末におおむね解消したばかりだった。集落の孤立は前日から半減したものの依然3市町の56カ所で続いており、県などが復旧を急いでいる。 【図】豪雨による石川県の被害状況 新たに死亡が確認されたのは輪島市町野町寺地の中山公さん（82）。21日に濁流にのみ込まれて一度は救助されたが、搬送先の病院で亡くなった。妻のはるみさん（82）も流され、22日に死亡が確認された。 死者は輪島市が6人、珠洲市が1人。県によると、負傷者は珠洲市で軽傷が9人確認され、計12人に増えた。 断水は輪島市3086戸、珠洲市1744戸、能登町230戸。日本水道協会石川県支部などの給水車22台が活動している。市立輪島病院は断水が解消し、転院予定だった透析患者の治療を再開した。 ●「400人避難必要」輪島市長、県に要請 23日の県災害対策本部員会議にオンライン出席した坂口茂輪島市長は、床上浸水した仮設住宅や孤立集落の復旧に時間が掛かるため、約400人の集団避難が必要とし、県に受け入れ先となる宿泊施設の調整を求めた。馳浩知事は「集落や地域でまとめて避難するのが現実的だ」と述べ、住民の意向を確認した上で対応するとした。 ●輪島の12校休み 輪島市教委は23日、市内の小中学校12校で24、25日の授業を行わないことに決めた。校舎の床上浸水などで児童生徒の安全確保が難しいと判断した。 ●安否不明4人公表 石川県は23日、同日午後4時時点で豪雨被害に巻き込まれた可能性があり、安否が分かっていない人の氏名、性別、年齢、住所の一部を公表した。問い合わせ、情報提供は県危機対策課=076（225）1306=まで。公表された氏名は次の通り。（敬称略） ▽輪島市 喜三翼音（女性14歳、久手川町堂山）前川政二（男性80歳、久手川町古込）井角祐子（女性68歳、久手川町池田） ▽珠洲市 貞廣一枝（女性79歳、大谷町）
