二階堂ふみ「信頼関係がないと撮れない」眞栄田郷敦を撮影するうえで意識したこと
ドラマ『プロミス・シンデレラ』で共演して以来、親交を深めてきた二階堂ふみさんと眞栄田郷敦さん。共演から3年の時を経て、二階堂さんが写真家として郷敦さんのきらめきを写し取った『眞栄田郷敦写真集 A Beautiful Blink』が完成した。 【写真】二階堂ふみが撮影する、俳優・眞栄田郷敦の写真集カット 郷敦さんを撮りたいと思った理由や撮影中のエピソードについてお聞きしたインタビュー前編に続き、後編では二階堂さんが写真を撮る理由、過去に心を動かされた写真家についてうかがっていく。
男性としての自分も女性としての自分も肯定されたような気持ちに
「『写真を撮ることで救われている』と思うことがよくあります。なぜなら写真を撮っている時は、自分の性別を限定しなくていいから。 最近はこういうことを言うと、ある種、記号のような言葉で捉えられることが多いのですが、私は日頃から性自認がすごく曖昧と言いますか『自分の中には男性も女性もいる』と思っているんですね。そして写真を撮ることで、男性としての自分も女性としての自分も肯定されたような気持ちになれる。 そういうこともあって、写真を撮るというアウトプットは今後も続けていきたいと考えています」
撮る側と被写体との間に信頼関係がないと撮れない
普段は俳優として被写体となる機会のほうが圧倒的に多い二階堂さん。撮られる側の立場で心が動くのは、どんな写真家・カメラマンと対峙した時なのだろう? 「いろいろな写真家の方に心を動かされまくっています(笑)。ご一緒していてすごく面白いなと感じる方もいれば、こちらが急に動き出したくなっちゃうような方もいたり。 なかには延々と、何時間でも見ていられる1枚を撮られる方もいらっしゃいます。 私は写真家を名乗れるような立場ではないですし、ただ好きで撮らせていただいているだけの人間です。それでも撮る側と被写体との間に信頼関係がないと撮れないな、というのは強く感じています」
自然と動きたくなる気持ちにさせる写真家さん
とはいえ一般的な取材の場合、「初めまして」からインタビューや撮影が始まることがほとんど。信頼関係を築く時間がない、というのが現実的な問題としてある。 「そうですよね、わかります。でも、たとえば写真家の川島小鳥さん。ご一緒した際、まさに『初めまして』から撮影がスタートしたのですが、撮っているうちにどんどん楽しくなってきちゃって、私が走り出してしまったんです。 そうしたら川島さんも、負けじとものすごい笑顔で私を追いかけながら撮影を続けて(笑)。それが本当に楽しかったんですよね。で、その後インタビューが始まった時に『どうでしたか、川島小鳥さんとの撮影は? 』と訊かれて、そこで初めて『川島小鳥さんだったんだ!? 』と知ったんです。 その時、やっぱり面白い写真家さんってそういう感じなんだなと思いました。こちらを無理に動かそうとするのではなく、自然と動きたくなっちゃう、動かされてしまう、という」